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聴く力

ヴォーカルトレーナーの竹本です!
本日も音楽ブログをお届けします。

歌の練習は“声を出す”ことだけではありません。
その中でも『聴く』『聴き取る』ということは、とても大切なことの一つです。

曲の練習を進めていって『よし!仕上がってきたぞ!』という段階でオリジナルの音源を聴き返してみたら「全く違う音で歌っていた(汗)」ということは案外ありがちなことです。

“都合の良いように聴いてしまう”
人間の耳、いえ、人とはなんて曖昧なものなのでしょうか(笑)

歌を学んでいる人の中には、「声を出す」ことには熱心でも「聴く」ことを疎かにしがちな人も少なくないように思います。
オリジナルの音源を注意深く聴き取り、聴き込むことは様々なメリットがあります。

◉聴くことのメリット

イヤートレーニングになる
まず誰もが注意深く聴き取るのは、メロディの「音程」ではないでしょうか。
前述したように「ここの音曖昧に覚えていた」「ここは下がらなきゃいけないんだ」など、正確に覚えた“つもり”が違っていることも多いもの。鍵盤やギターなどの楽器も使えば更に正確に理解していけます。
音感が養われる
そもそも音楽を聴くことや、聴き取る作業そのものが、イヤートレーニングにもなり『音感を養う』ことにもなります。
普段から何気なく音楽を聴いている人と、全く音楽に触れてこなかった人でも、音感やリズム感に差が出てくることが多いのです。どんどん生活の中に音楽を取り入れていきましょう!
楽譜にない音に気づける
楽譜が読める人は楽譜に頼りがちです。もちろんとても効率良く練習できる方法なのですが、歌のメロディの場合、楽譜には書かれていない音がたくさん歌われています。シャクリやフォール、ビブラートなどの装飾はももちろん、母音を歌い直していうようなところも、多くの場合音符化されていません。音符通り歌っても味気ないのは、そのせいもあります。聴いて真似ることもとても大切なことです。
オリジナルのシンガーから様々な発見ができる
よく聴き取り、よい部分を積極的に真似ることで、自分自身のテクニックが増え、コントールする力もパワーアップしていきます。
ブログでも度々お話しすることですが、全ては模倣から始まります!
シンガーの声の出し方がわかる(上級編)
トレーニングに励み、発声のことや「共鳴」のことなど、様々なことが理解できるようになり感覚が研ぎ澄まされてくると、その人が「どうやって歌っているのか」「どこをどんな風に響かせているのか」などを、聴いただけで理解できるようになってきます。シンガーの声の出し方を擬似体験できるようになるのです。これはかなりハイレベルなことですが、トレーナーは様々な経験を経て、そういった“耳でみなさんの声を見ている”のですよ。

◉練習への応用

「忙しくて練習する暇がない・・・」、そんなの時には、通勤通学の移動中や、休憩時間の5分間などを使って、“よく聴く”ということをしてみませんか?
昨日までは気づけなかったことに気づけるかもしれません。

『聴く』ことを応用して、練習にも取り入れてみましょう!

自分の歌を録音して聴く
自分の歌っているところを録音したり、動画で撮影してみましょう!
歌っている最中には気づけなかったことに、聴くことで自分で気づけるようになります。自分が自分のトレーナーになるのです!
イメージトレーニングに繋げる
ただ聴くだけでなく、聴きながら自分が歌っているイメージも膨らませて、歌う時の「イメージトレーニング」もしてみましょう!
イメージトレーニングは、頭が整理できてとても効果的です!

聴く力の大切さや、聴くことのメリット、じんわりと伝わってきたでしょうか?

“五感を研ぎ澄ませ!”
というのは、どこかで聴いたことのあるようなセリフですが、音感や聴き取る力というのは、研ぎ澄まし強化していくことが可能です。

何年も聴いてきた好きなシンガーの歌も、感覚を研ぎ澄ましじっくり聴いてみましょう!きっと新しい発見ができるはずです!

それでは次のブログでお会いしましょう!

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