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【最終話】あとがき【下駄華緒の弔い人奇譚】


―火葬場―

あなたの中の火葬場って、どんなイメージですか?
大抵は不吉だったり、怖かったり、良くないイメージが多いと思います。
ですが、火葬場と一括りに言っても日本全国でこんなにも違うのかと、このnoteをお読み頂いてわかって頂けたのではないかと思っています。

殆どの人は病院で産まれ、そして病院で亡くなります。その後は火葬場で火葬されます。この文章を読んでいるあなたもほぼ間違いなく最後は火葬場に行くことになるのです。そういう意味では火葬場というのは意外と「近い」存在なのかもしれません。
ですが長年の文化や風習によってどちらかというと隠されてきた部分であります。
だからこそ、怖いイメージがあるのかなと漠然とそう感じています。

たしかに人が焼かれている場所なわけですから怖いというのもわかります。自分も「怖いな…」と思った事は多々あります。
が、ある日考えたんです。自分は「亡くなった人に何か失礼な事したか?」と。

そう考えると、火葬場職員時代ずっとちゃんとやってきたのでもし幽霊が出たとしても逆に感謝してほしいくらいだと思うようになりました。
そして、不思議な体験も実際にありました。文章にするほどでもない小さな事まで含めると本当に無数にあります。そしてそんな奇怪な出来事について考察したり追及したりするようになりました。
それは何故か?

「死んでいった者たちが何を伝えようとしているのか」
どうしてもそれが知りたくて、頑なに幽霊を否定する事もなく、かといって盲信するでもなく、もしかしたら何かあるんじゃないかとずっと心にそんな気持ちを置いたままこれからも探し続けるのではないかと思っています。
やっぱり気になるんですよ、自分がお世話させて頂いた遺体がもし何か気に入らないことがあるなら、もし僕に何か苦言を呈したいのなら、それはやっぱり聞きたいんですよね。

noteの連載は今回で一旦区切りをつけますが、これからも探し続けます。みなさんも是非一緒に探していきましょう。死者の言葉を。

著者紹介

下駄華緒(げた・はなお)

2018年、バンド「ぼくたちのいるところ。」のベーシストとしてユニバーサルミュージックよりデビュー。前職の火葬場職員、葬儀屋の経験を生かし怪談師としても全国を駆け回る。怪談最恐戦2019怪談最恐位。

大ニュース!!

本連載「下駄華緒の弔い人奇譚」の執筆者、元火葬場・葬儀屋職員の下駄華緒さんによる初の著作が、今冬12月28日に発売となります!!

その名も『怪談忌中録 煙仏』(かいだんきちゅうろく けむりぼとけ)

火葬場・葬儀屋時代の自身の不思議・恐怖実体験や、同僚や知り合いから見聞きした怖い話、奇妙な話を集めた下駄さんならではの怪談集です。当note〈下駄華緒の弔い人奇譚〉連載に収録されていないエピソードも満載! 下駄華緒ファンはもちろん、怪談好きや特殊な職業のリアルを知りたいアングラ好き、知的好奇心旺盛な人たち等みんなにオススメです。

怪談最恐戦2019最恐位の下駄華緒が綴る『怪談忌中録 煙仏』! 是非お買い求めください!(Amazon予約受付中!)

みんなにも読んでほしいですか?

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