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【第21話】とっても悲しい赤ちゃんの火葬、お骨あげの骨壺はどうするの?元職員が教える最適赤ちゃん用骨壺代替品オススメ7選【下駄華緒の弔い人奇譚】


―第21話―

赤ちゃんの火葬は大変です。
何が大変かと言うと、例えば生後間もない赤ちゃんだと大きさで言うと手のひらの半分……いや、それよりももっと小さい事も多々あります。
それだけ小さいと骨も勿論、小さく非常に軽い。そうなると火葬中の際の火の勢いで遺骨が散らばったり飛んで行ったりする可能性があります。なので大人を火葬するのとは全く別の手法で火を限りなく小さくして火葬します。
そして、とても小さいお骨あげが始まります。

さて、お骨あげですが、赤ちゃん用のごくごく小さい骨壺…は葬儀屋さんも常に常備しているわけではありません。むしろ常備していない事が多いと思います。
仏具屋さんやそれこそネットで「赤ちゃん用 骨壺」等と検索すればちょうど良い可愛い骨壺や立派な骨壺はありますが、そんなものをすぐに用意して火葬場に来られる方は滅多におらず皆さん各々の骨壺(?)を持ってこられます。
今回はよくあるものから、僕がびっくりしたそんな各々の骨壺(?)を紹介します。

その1 大人用の小さい骨壺
これは一番多い気がします。正直赤ちゃんの遺骨に対しては大きすぎるのですが、何も手持ちがない時は葬儀屋さんに頼んで取り敢えずある骨壺でお骨あげをするようです。

その2 何らかの木製のケース
念珠が入っていそうな桐のケースとか、お守りが入っていそうな木のケースです。とにかく高級そうで、確かに雰囲気はあります。

その3 ピルケース
お薬を入れる小さいケースです。プラ製のものや革製、金属製のものもあり、サイズも豊富です。可愛いデザインのものもあり、さらに金属製のものは熱にも強く丈夫です。
キーホルダーくらいの大きさだとサイズもちょうど良く、なるほど考えたなぁと思う事が多々ありました。

その4 カメラのフィルムケース
最近見なくなりましたが、フィルムケースです。確かにサイズはバッチリです。これを選ぶ方はとても現実思考な方なのではないかと思います。が、プラ製の事が多いので熱に注意する必要があります。
逆によくフィルムケースを持っていたなぁと思います。写真が趣味の方なのかもしれません。

その5 ハンカチ
入れ物が無いなら包もう、ということなのでしょうが、せっかく拾ってあげたお骨がポロポロ溢れないかとても心配です。
こうなると、火葬場に備蓄してある骨壺をお勧めするのですが意外と必要ないと断られる事が多いです。骨壺、という死を連想させるものだから避けたいのかもしれません。が、おすすめは出来ません…

その6 ガチャガチャの丸いケース
何故持ってきたのかわかりません……
プラ製ですし、しかもこの手のケースってよく見たら空気抜きの小さい穴が空いてたりするんですよ。当然骨壺を勧めます。

その7 なにも持ってない
はい、骨壺を勧めます。

予期せぬ事態ですから、皆さん試行錯誤されてるようです。
ですが、先ほども言いましたが、最終的には仏具屋さんやネットで専用の骨壺がありますのでそういったものに入れ替える事も良いと思います。
そういう意味では、結局のところどんな入れ物でも良いとは思いますが、熱が篭っていることがあるので、なるべく陶器製か鉄製の物が良いかなぁとは思います。

悲しいことは無い方が良いですが、もしもの時の為に知っておくと何かの役に立つかもしれませんね。


著者紹介

下駄華緒 (げた・はなお)
2018年、バンド「ぼくたちのいるところ。」のベーシストとしてユニバーサルミュージックよりデビュー。前職の火葬場職員、葬儀屋の経験を生かし怪談師としても全国を駆け回る。怪談最恐戦2019怪談最恐位。

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