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少年画コンセプト

少年画コンセプト
「親性への欲求」

テーマ:人間とモンスターの境界線

モチーフ:般若

説明
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能などで有名な、般若の面。
これは「嫉妬に狂った女」であり、女が「生成・中成(般若)・本成」の三つの段階に渡り、鬼や大蛇に変貌する様子を表現しています。
それを少年画のモチーフとして描けば、一体どうなるのかと考え、製作した作品です。

般若は愛憎によって狂いましたが、少年の場合、何を求め、鬼に変貌するほどの嫉妬や強い執着を覚えるのだろうか、と考えた時、未成年の子たちは「親の愛情」に強く反応するのではないか、と感じ、表現のポイントとしました。

ほんの半世紀以前と違い、現代社会には様々な情報が氾濫しています。
その中で生きる、思春期の子たちは、真偽も分からない、膨大な情報や様々な脅威に触れる機会が増えました。
現代人は、大人も子どもも、年齢だけを重ねて精神が伴わず、承認欲求だけが肥大化し、溺れている印象が否めません。

この様に、大人になりきれない人間が増える中で「親」が「子」に与える愛情に満たされれば、「彼ら・彼女ら」は他人からの評価が全ての生活ではなく、自身が精神的に自立し、自分の足で生きてける道が開けるのではないか。
そう考え、今回、遠回しながら「子どもが求める親性」を表現しました。

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