Takeshi Yamao
どこか影を感じるキャラくろこちゃんを描いてます。 2024年から少年画復活。 2008〜AUS,FR,UK,KOR,USAなどで展示。
絵を描いてる理由や、コンセプト、テーマなど掲載。
絵描きさんの日々徒然エッセイ
「NA・MA・NA・RI〜祈り〜」 Acrylic gouache on canvas SM(227×158mm) 2024.06.24 僕に親をください 僕を認めてくれる親をください 僕にはちゃんとした親がいます 当たり前だよね 親がいないと僕は今を生きていない けど僕の心には親は不在なんだ 人間だった頃は泣いたり笑ったりワガママを言って困らせたり そんな日々だったと思う でもいつの間に僕は成長して 赤子が乳を求めるのとはまた違う欲求があったんだ 親を
「HA・N・NYA〜僕は鬼になる〜」 Acrylic gouache on canvas SM(227×158mm) 2024.06.15 荒れ狂う嫉妬の中 何かを得たように神経が静まり 風の音だけが聞こえる中で僕は鬼になる 自分が鬼になっていく姿 荒れ狂っていた僕が 人からモンスターへ変化する瞬間を恐れていたけど こんなにもナチュラルに静かに鬼になるとは思っていなかった 気持ちが座って全てが他人事のように見えてすごく冷静で けどここからなんだ 求めたモノ
「真蛇〜親性をはき違えた結果〜」 Acrylic gouache on canvas F3(273×220mm) 2024.06.04 あなたの愛はそんなモノですか? 世間の親の姿を模倣してるだけではないですか? 親も子も画一的ではないですよ 僕とあなた達との親子関係の話をしましょう 他人の親子の話なんてどうだっていい お恥ずかしながら僕は未だに羊水に塗れたまま泣き叫ぶ赤子のように感情が制御できない なにもかも通り越して人間ではなくなった ただのモンスターと化
「般若〜拒否〜」 Acrylic gouache on canvas F3(273×220mm) 2024.06.04 求めたものと違う親性への拒否 あなた達が与えようとしてる子への愛情は素晴らしい だけど僕が欲しいのはそれじゃないです ただ側にいてほしいだけ 大事な時に話をさせてほしいだけ 構ってほしいわけでもなく 何かを買い与えてほしいわけでもなく ワガママを受け入れてほしいわけでもなく 「我が、まま」を認めてほしかっただけ 羊水に塗れたままの赤子から
「生成(なまなり)〜毒〜」 Acrylic gouache on canvas F3(273×220mm) 2024.06.04 僕が本物の鬼になる前に助けて 僕が欲しいのはそれじゃないの あなた達が親はこうするものだと考えて与えてる物は僕にとっては毒にしかならないの あなた達親も悩む事はあるでしょう 少なくとも僕は親として何かを与えてほしかったわけじゃないの ただ近くにいてほしかっただけ 向き合ってゆっくり話を聞いてほしかっただけ ただそれだけなんだ あな
「icon〜めめんと・もり〜2024」 Acrylic gouache on canvas SM(227×158mm) 2024.03.30 数々の屍を超えて今の僕たちがある そして僕たちもいつかは屍になり その屍を超えていく者たちの時代になる 死を恐れるな 死を忘れるな 死を想え 死が身近じゃなくなった現代 医療が発達しなかなか死ねない なかなか死なない わずか数十年を 我欲にまみれ生きる現代 死を忘れるな 死を想え そして今日何が出来るか考えろ
「大勢がそれを最善だと信じた結果」 Acrylic gouache on canvas SM(227×158mm) 2024.03.30 自分が信じる正義だけを正解だと信じ それを大勢が認めた時 社会の崩壊が始まる 平等を謳い 多様性を謳い それが正義だと信じ マイノリティがマジョリティへと変わり マジョリティが責められる対象になる いつも何も変わらない構造 マイノリティとマジョリティの冷戦 変わるのは理由だけ いつになったら大勢じゃなく 個々人を信
「この世は全て、死んだら終わり」 Acrylic gouache on canvas SM(227×158mm) 2024.03.30 一皮剥けば皆同じ 死んだら朽ち果て土に還るだけ 何に執着し生きるも 世を捨てて自然に生きようと この世の全ての生物の最後は死 DEATH 人間の自意識は生への執着から 映画の主人公のような生きる意味を探すけど 生きる意味など無い 生きてる間に何を次世代へと繋ぐか ただそれだけ
「包み込まれた世界での葛藤」 Acrylic gouache on canvas SM(227×158mm) 2023.12 親の庇護下のもとで生きる日々 包み込まれた世界で わがままに甘え容認されたいと思う心 半端な世界に苛立つモラトリアムな心 もうどうしようもないと冷めて諦める心 この3つが葛藤し混ざり合い熱を帯び 七色の蒸気が渦を巻き僕を葛藤させる もう嫌だ 早くここから抜け出したい そう想いを馳せるものの 似て非なるモノに掴み包まれ 逃げ出せな
「生成(なまなり)〜母性への渇望〜」 Acrylic gouache on canvas SM(227×158mm) 2023.12 存在するからそれを望む 望むから嫉妬する 嫉妬するから苦しむ 苦しむ故にさらに望む そして執着し囚われ鬼へと変わる 苦しみが楽になるのならば 嫉妬を忘れるようにさらに望む 熱望、切望、渇望。
「般若」 Acrylic gouache on canvas SM(227×158mm) 2023.12 求める物はもう手に入らず 行き場を無くした情動だけが暴れ回る モンスターに成りきれず 人間にも戻れず 醜いモノに成り下がり それでも求めてしまい 心を掻き乱され 感情は壊れ 表情の作り方も分からない 必要なモノはどこにあったのか
「親性に翻弄される」 Acrylic gouache on canvas SM(227×158mm) 2023.12 愛だの絆だのとのたまい 自分勝手な親性を注ぎ 子どもを翻弄させる 僕は愛されてた だけど 僕が求めたモノとは似て非なるもの 望んで、求めて、ねだって でも 伝わらなくて求める事はもう止めた 僕は冷たくなった それでも 燻る煙草の葉のように 求める気持ちが心の隅のどこかで煙を上げ 僕を翻弄させる
少年画コンセプト 「親性への欲求」 テーマ:人間とモンスターの境界線 モチーフ:般若 説明 -------------------------- 能などで有名な、般若の面。 これは「嫉妬に狂った女」であり、女が「生成・中成(般若)・本成」の三つの段階に渡り、鬼や大蛇に変貌する様子を表現しています。 それを少年画のモチーフとして描けば、一体どうなるのかと考え、製作した作品です。 般若は愛憎によって狂いましたが、少年の場合、何を求め、鬼に変貌するほどの嫉妬や強い執着を覚え
「誘惑に泣く」 Acrylic gouache on canvas SM(227×158mm) 2023.12 求めても手に入らない 望んでも手に入らない せがむモノとは違う形で誘惑してくる ねだったモノとは違う形で与えてくる 似て非なるモノに翻弄される日々 僕が欲しいモノはもう手に入らない 似て非なるモノの似てる部分にすがって 苛立って 虚しくなって 自暴自棄になって 全てを無くし 今日も毛布に包まって泣くだけ
「大勢がそれを最善だと信じた〜そして僕は行き場を失い宇宙へ飛んだ〜」 Acrylic gouache on canvas M10(530×333mm) 2023.06.01 それが結果的に間違いであっても 大勢がそれを最善だと信じた 人間という生き物にとって最善とはなんだろう 改善されない現状に最善策を取る事なのか 未来の命にとって最善策を考え実行する事なのか そもそも その最善に永劫性はあるのか こあれはあれで良かったんだと将来を背負う今の子供達が社会に出た
「美しい花の蜜は毒にしかならない」 Acrylic gouache on canvas M3(273×160) 2023.05.29 優美で甘美な美しい花に 僕はずぶずぶと溺れる 自然が生み出す色彩を帯びた美しさと醜さを合わせ持つ蜜 あまーいあまい蜜に全身を濡らし 母なような温もりと甘さにこの身を投じる 誰にも邪魔されない 誰にも侵されない 誰もが麻薬のような誘惑に負ける 気持ちの良い人肌の温もりが保たれた蜜 それはもう毒でしかない