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アンラーン💣リラーン📚ためらわん♫run18

⭐「ゴミ」ではなく「大ゴミ」ゆえの「醍醐味」⭐️
(これまでの虚栄を解きほぐす「unlearn」のため、頭の中を刷新する「relearn」を躊躇なく進めるための記録)

昨日の投稿に続いて、先週の参観日に実施した発表形式の授業に対する自己分析をします。
発表の「外面的なシステム」としては、「3つのキーワードカード」と「3つの紙芝居カード」を作成し、それを使いながら、自分が専門家となったテーマの説明をするわけですが、生徒たちには「内面的なシステム」として「5つの『ミ』」を意識して発表内容を組み立てるようにと話をしました。

この「5つの『ミ』」というのは、私が授業においてしつこく生徒たちに伝えているものです。
これは「イミ(意味)」「アユミ(歩み)」「シクミ(仕組み)」「ギンミ(吟味)」「キョウミ(興味)」という語尾が「ミ」で終わる5つの言葉で、授業はこの5つに注目すると理解しやすくなると、勝手ながら思っております。

ただ以前にある生徒から「5つの『ミ』」だから『ゴミ』ですね」と指摘されたので、それ以来、「これは社会科の『大切な5つのミ(大5ミ)』=『ダイゴミ(醍醐味)』」であると、ゴミのくだりも含めて説明するようにしています。

もう少し説明を加えるならば、「イミ(意味)=定義、その語句が示す正しい内容」、「アユミ(歩み)=前後関係、出来事の時間的な順序」、「シクミ(仕組み)=因果関係、ある働きかけによってどんな影響・変化があったか、制度などが変わったのはなぜか」「ギンミ(吟味)=共通点と相違点、複数の対象・事象を比較することでより明確なる個々の情報の特徴」「キョウミ(興味)=動機づけ、情報に接近する機会、全てのスタートラインとして社会の授業を受けてみようと思う意識」と考えています。

今回の参観日に行う発表の準備段階でも、生徒たちにはこの「5つの『ミ』」を意識すると、情報を伝える側も狙いがはっきりするし、情報を受け取る側もどの枠組みで話を聞けばよいか共通の前提に立つことができるよと伝えました。

もちろん「言うは易く行うは難し」なので、頭で分かっていてもそれを実際に形にするのは大変だったようです。

こういった働きかけは一朝一夕のものではないので、私は4月から生徒たちに繰り返し伝えています。しかし単に5つのミのフレーズを知っているだけでは役に立たないので、実際の板書内容のどこがそれぞれ「イミ(意味)」「アユミ(歩み)」「シクミ(仕組み)」「ギンミ(吟味)」「キョウミ(興味)」に該当するか示すようにしています。

合わせて、週末の復習や試験前の復習をしてもらう際に、授業内容を「イミ(意味)」「アユミ(歩み)」「シクミ(仕組み)」「ギンミ(吟味)」の4カテゴリーに分けて整理してもらうようにもしています。

最初は、ほとんど書けなかった生徒たちでしたが、繰り返していると慣れてくるもので、最近は私よりもうまく整理できているなと思わされるものもあります。

また、「イミ(意味)」「アユミ(歩み)」「シクミ(仕組み)」「ギンミ(吟味)」の4カテゴリーについて、生徒によって得手不得手があることも大きな発見でした。「アユミ(歩み)」はうまく整理できるものの「シクミ(仕組み)」が書けない生徒、「イミ(意味)」は自分で他の資料も使ってとても詳しく書いているものの「ギンミ(吟味)」の視点は意識していない生徒、「シクミ(仕組み)」や「ギンミ(吟味)」は楽しそうに整理しているものの「アユミ(歩み)」にはあまり関心がない生徒など、情報整理の特徴に個性・多様性があるのです。

しっかり検証しているわけではありませんが、「イミ(意味)」「アユミ(歩み)」への関心が高い生徒はどちらかと言えば「人文科学」的な思考であり、「シクミ(仕組み)」「ギンミ(吟味)」への関心が高い生徒はどちらかと言えば「社会科学」的な思考のように感じています(なお「自然科学」的な思考の生徒は、これらの情報を「A=B」「A=B+C+D」「A∈B」「A⇔B」のように単純化された関係式でまとめている生徒だと感じています)。

「分析力は、偏見に基づく感情もすべて弱める働きをする。この力があればこそ、いい加減に結びついた観念を分析して分離できるのであり、どんな観念連合もこの力には抵抗できない。」
これはイギリスの哲学者・経済学者・歴史学者であるジョン・スチュアート・ミル(J・S・ミル)の言葉です。

授業内容を「5つのミ」という枠組みで分析してみると、自分自身の理解が以前よりも深まり、またそれまでは1枚の板に書かれただけの凡庸ともいえる「平面情報」が、階層構造を持った抑揚のある「立体情報」に変化していき、結果として、情報の受け手である生徒に伝わりやすくなるという実感があります。

授業実践と授業分析は噛めば噛むほど味が出る「スルメ」のようですね。
そういえば「スルメ」は「珍味(チンミ)」なので、また一つ「ミ」を発見してしまいました。

#哲学   #ジョンスチュワートミル

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