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❖二宮的な歩きスマホ❖ まいに知・あらび基・おもいつ記(2021年11月25日)

(長さも中身もバラバラ、日々スマホメモに綴る単なる素材、支離滅裂もご容赦を)

今日の朝、現代の二宮金次郎に出会った。彼は、登校中だと思われたが、電車の図鑑に没頭しながら歩いていた。最近の交通トラブルで「歩きスマホ」が取り上げられることがある。歩きスマホは手元のスマホに気を取られ他の通行人への意識が欠如することで衝突リスクが高まるとするネガティブな表現である。今日、私がすれ違った少年の「歩き図鑑」も、手元の図鑑に気を取られて他の通行人への意識が欠如して衝突リスクが高まるので、歩きスマホと構造は変わらないはずだが、前者よりも後者がポジティブに思えてしまうのはなぜだろうか。何かに没頭するということを美徳とするなら、両者に違いはない。前者を世俗、後者を高潔として評価を変えているとしたら、単なる先入観でしかない。二宮金次郎の銅像は、薪拾いで歩きながら時間を惜しんで本を読み勉強している姿が「勤勉」の象徴とされ、かつては大抵の学校にあった。しかし、よく考えてみるとこの姿は、まさに「歩き読書」であるし、「ながら勉強」の一種でもある。それでもこの像がポジティブな評価に結びつけられるのは、「歩き図鑑」と同じく、没頭している行為が高潔であるという先入観だろうか。ただ「ながら勉強」という言葉の方は、そもそもネガティブな用語であり、それと二宮金次郎とを結びつけて考えることは少ないものの、構造上は「ながら勉強」以外の何物でもないだろう。また「ながら勉強」の場合は、勉強そのものにネガティブな評価を与えようとしているわけではなく、同時に行っている音楽を聴きながらとか、テレビを見ながらということで、同時に行っている行為に備わっている世俗の要素に対して厳しい目を向けていると考えられる。だから二宮金次郎の場合は、読書(勉強)と同時に取り組んでいる薪を拾うという行為は、単なる世俗のものではなく、生活を支える大切な活動であって、こちらも読書(勉強)と並んで高潔なものとして、彼の勤勉のイメージが出来上がっているといえる。しかし、最近、いくつかの場所で「本以外を持つ二宮金次郎」の姿も目撃されている。スマホやタブレットを持っているのである。これこそまさに「現代版・二宮金次郎(現代的な二宮金次郎)」である。この場合、二宮金次郎ともあろう者がスマホやタブレットを持って「歩きスマホ」「歩きタブレット」しているわけだが、それでも勤勉の象徴の枠内に収まっているのは、二宮金次郎がスマホやタブレットで読書していると考えられているからと言える。ならば、電子書籍を読む目的でスマホに没頭する「一般的な歩きスマホ」と「二宮的な歩きスマホ」の違いを見出すのがいよいよ難しくなってきた。結局、本でもスマホでも二宮金次郎の評価がネガティブにならないということは、さきほどから高潔な要素としてきた読書(勉強)はあまり関係がなく、それよりも薪拾いの方に重心があるような気がしてきた。ここまでの内容を整理すると、「伝統的な二宮金次郎」は「薪拾い(純粋に高潔)+読書(純粋に高潔)」で申し分なくポジティブ評価、「現代的な二宮金次郎(二宮的な歩きスマホ)」は「薪拾い(純粋に高潔)+スマホ/タブレット(世俗にも高潔にもなりうる)」であってもポジティブ評価になっている。両者がどちらもポジティブ評価になる点に注目すると、「純粋な高潔」を【50点】とするならば、「伝統的な二宮金次郎」は二つの行為がともに「純粋な高潔」であるため【合計★100点】となる。これに対して「現代的な二宮金次郎(二宮的な歩きスマホ)」は、薪拾いが【50点】だが、スマホ/タブレットが高潔にも世俗にもなりうるため中間的な【25点】となり、結果として【合計★75点】になる。そして、「一般的な歩きスマホ」は「歩く(世俗)+スマホ/タブレット(世俗にも高潔にもなりうる)」であるため、歩くは【0点】で高潔にも世俗にもなりうるスマホ/タブレットが【25点】となり、【合計★25点】である。さらに、私が今日出会った少年は「歩き図鑑」で「歩く(世俗)+図鑑(高潔)」であるため、歩くは【0点】で高潔な図鑑が【50点】となり、【合計★50点】である。このとき、図鑑少年はポジティブ評価、一般的な歩きスマホはネガティブ評価とされる印象が強いのは、両者の間に、評価を分けるラインがあると推測できる。つまり、合計が50点よりも低い場所にラインがあるわけである。こうしてある程度、評価の謎が明らかになってきた。ただ、どうやらどこかの自治体に「座ってスマホ/タブレットを見ている二宮金次郎」もあるようで、これはどのように評価されるのかという問題が残っているため、今後の継続して考察してみようと思う。ちなみに「食べ歩き」は世俗+世俗なので【合計★0点】だからネガティブ評価になることも分かってきた。同様に「歩きマンガ」も【合計★0点】である。


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