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我楽多だらけの製哲書

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日常の出来事と哲学を掛け合わせた考察をつれづれなるままに綴っています。先哲の思想は、昔のことだし抽象的で近寄りがたいと思っている人がいるかもしれませんが、実は、現代においても日常…
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#シンガポール

我楽多だらけの製哲書(N79)  ~失態の影響で辛味を増した麻辣香鍋とフランシス・ベーコン~

【記事累積:1891本目、連続投稿:830日目】 <探究対象…コラム、シンガポール、思い込み、イドラ、ベーコン> 先日、早稲渋で大変お世話になった先輩教員と食事をさせていただきました。シンガポールを訪れた際はほぼ毎回ご一緒させていただいているのですが、とても失礼な出来事が発生してしまいました。それは一体どのようなものであり、なぜそれが発生したのでしょうか、そしてそれを回避することはできなかったのでしょうか。 今回食事をした場所は、今年の3月にシンガポールを訪れたときにも、

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★我楽多だらけの製哲書(47)★~シンガポールにとって忘れてはならない2月15日という特別な日とプラトン~

今年もこの日がやってきた。シンガポールに住む前は、社会科教員でありながら恥ずかしいことに、この2月15日という日に注目したことがなかった。 日本がシンガポールを占領したということは、アジア太平洋戦争の内容として知ってはいた。しかし、それはその戦争の中の一場面にすぎず、そのことに焦点を当てて、そこで起こった出来事について考えたことはなかった。 だがシンガポールに住み、様々な資料館や博物館を訪れたり、ジャパ中で実施していた日本人墓地清掃に関連して、生徒たちとともにシンガポール

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★我楽多だらけの製哲書(43)★~日々示される数値とデカルト~

私は数字やグラフが好きである。 好きとはいっても、それを駆使して高度な分析ができるというものではなく、単に数字を並べ、その数字と数字を比較し様々なグラフにして、そこから見えてくる関係性の中に何らかの法則などはないだろうかと思いをめぐらすのが好きという程度のものである。 シンガポールに住んでいたとき、ヘイズという煙害に関して大気汚染の程度を示す数値でPSIというものがあるのだが、その都度変化して示されるその数値を記録して、自分でグラフ化し、その推移を見て、その中にどんな関係性

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★我楽多だらけの製哲書(34)★~何となく懐かしい景色とC・W・ニコル~

去年のちょうど今頃、部活動の引率で浦安へ行ったのだが、目の前に広がる景色がとてもきれいで思わず写真を撮っていた。こうして水上の世界を見るのは本当に久しぶりだった。コロナ禍であり、また平日ということもあって、周囲にはそれほど人はいなかったので、景色を独り占めしたような不思議な優越感に満ちていた。 また、空を見上げると存在感たっぷりの雲に圧倒されてしまった。 そんな水上の世界と雲の大きさに、何となくシンガポールのウエストコーストパークで眺めていた景色が重なり合った。それはあく

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★我楽多だらけの製哲書(16)★~街中で配られる冊子とルソー~

昨日は午前中に勤務校で授業をし、午後に業務委託契約している会社との関わりでオンライン会議をした。会議が思ったよりも早く終わったこと、関東のコロナ感染者もかなり落ち着いたこと、そしてタイミングよく以前勤めていた学校の同僚から食事でもどうかという誘いがあったことなどが見事に結びつき、久しぶりに小田急線を利用して、以前住んでいた街の近くまできた。 昨日は良いタイミングの結びつきが、他の様々な事象とも繋がって、良いことが連続しているように思える。昨日は、衆議院総選挙の投開票日前日に

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★我楽多だらけの製哲書(13)★~時計が見せる意地のようなものとフォークナー~

去年のちょうど今頃起こった出来事を思い出した。 「19時まではまだ50分もあるから、もう一仕事できそうだ。」 私はそう思って、来週には持ち越したくない仕事を進めようとしていた。エンドレスで作業できる職場環境に長く身を置いていた私としては、去年の職場環境にまだ慣れていなかった。 これまで勤めてきた職場を振り返ってみると、20時になると形の上では退勤を促す声かけがなされ、それ以降残るためには「勤務時間延長願」を書いて出すことにはなっているものの、その延長願が拒絶されることなく、

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★我楽多だらけの製哲書(12)★~サッカーのユニフォームを着なくなった最近の夏とヴォルテール~

「汎用性」を突き詰めていくとどうなるだろうか。 何かの定義について考えるとき、その言葉の対義語と思われるものからの逆算で、言葉の実態を明らかにすることが少なくない。だがそれは、その言葉と対義語が対等な関係に位置していて、同時に、二律背反のような閉じた世界であることが前提となっているだろう。そうでなければ、他方の否定によって、残りの要素全てが、その言葉の定義となり、説明が成立するという綺麗な図式にはならない。 さて「汎用性」について、その綺麗な図式で定義づけを試みているとどう

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★我楽多だらけの製哲書(9)★~北海道と向き合ってこなかった自分とヘッセ~

北海道出身ということが分かると、羨ましいと言われることが少なくない。 社会人になってから、幾度となくそのように言われるので、最近はそういうものなのかなと思えるようになってきた。 ただ自分は北海道愛に欠けていると思っている。ここ10年間を振り返ってみると、そのうち7年間は海外に住んでいたが、それにしても夏・冬・春の長期休みは日本に一時帰国していたので、いくらでも北海道に戻るチャンスがあったにも関わらず、10年間で北海道に戻ったのは、片手で収まる回数だと思う。 「北海道愛に欠けて

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