【連載小説】 夕刻に死す 【全十話/第四話】
いつもと変わらず真っ赤なバンダナを頭に巻いた広瀬と、プライドの高さ故にタイミングをずらした鶴巻が出勤すると、彼らの派遣先であるハート物流の庫内には社員の姿が何処にも見当たらなかった。
社員が出力する指示書がなければ何もすることがない鶴巻と広瀬はモップを手に庫内をうろうろして過ごしていると、現場社員の野田が鬼の形相を浮かべながら現れ、広瀬を呼びつけるとまるで連行するように事務所へと連れて行った。
事務所内では腕組をしながら待ち受けていた社員達と社長が、やって来た広瀬