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一話完結〜数話完結の短編集を載せています。 あなたの息抜きのひとつに添えて頂けたら嬉しいです。
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#小説

【小説】 ドアマンの憂い 【ショートショート】

 劇場のドアマンがその職に就いたのは独裁者の気まぐれからであった。  とある演説後、独裁…

大枝 岳志
7日前
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【小説】 社会死葬儀 【ショートショート】

 予定通りに行けば昨日、私の葬儀が執り行われたはずだ。  最も、この肉体の死を弔う葬儀で…

大枝 岳志
8日前
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【小説】 夏。収穫アルバイト 【ショートショート】

 高校生活最後の夏休み。受験勉強そっちのけでアニメを観ていた僕は、ある作品の影響からカッ…

大枝 岳志
11日前
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【小説】 わくわく抽選会 【ショートショート】

 地元の商店街で買い物をしたレシートを五枚集めると、大型テレビやAIスピーカーなんかが当…

大枝 岳志
13日前
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【小説】 夕闇に告ぐ 【ショートショート】

生まれたはずであるこの街の、少し駅から離れた踏切の向う側の景色を実は彼女はあまり良く知り…

大枝 岳志
2週間前
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【小説】 笑顔の携帯ショップ 【ショートショート】

 日曜で多忙を極める携帯ショップのカウンター。勤務二ヶ月目にして高岡真奈美は、椅子にふん…

大枝 岳志
2週間前
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【小説】 駅前おじさんの真実 【ショートショート】

 東京○○区駅前等で非常によく見られる光景の一つに、昼間から泥酔し切った中高年者がロータリーで辺り構わず怒鳴り散らしたり喚き散らしたり、という場面が在る。  幾ら時を経ても、支払いが電子化されようとも、何故あのような者が生まれてしまうのか。ある一人の男に焦点を当て、ここに記しておく。  男の名は戸倉正蔵。年齢は御年七十を迎えるがその肌艶は良好で、白髪や皺のケアも日頃から決して手を抜かない。彼は芸能人等ではないが、とある大手製紙会社の三代目であり、幼少期から人に見られること、

【小説】 第二秘書浅見賢太郎 【Ⅳ・最終回】

 浅見は第二秘書着任早々、中学時代より崇拝する正文学会会長・吉原大源と丸一日に及び行動を…

大枝 岳志
3週間前
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【小説】 第二秘書浅見賢太郎 【Ⅲ】

一話、二話はこちら→  新宿会館での少年部講演会を終え、楽屋へ戻った正文学会・会長の吉原…

大枝 岳志
3週間前
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【小説】 第二秘書浅見賢太郎 【Ⅱ】

第一話はこちら 校則で禁止されていた宗教勧誘を行ったことが原因で停学処分となった正文学会…

大枝 岳志
3週間前
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【小説】第二秘書浅見賢太郎 【Ⅰ】

 ここに、とある人物の手記がある。  決して上手いとは言い難い文字や文章を見る限り、日記…

大枝 岳志
3週間前
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【小説】 夢の街 【ショートショート】

 ガラクタの山、冴えない通り、曲がり角に立ち続ける古びた娼婦が男に声を掛けた。 「どうせ…

大枝 岳志
3週間前
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【小説】 操り人形の宵辺

 高校卒業前、同窓会連絡簿に載せるための就職先は何処かと、担任に何度も聞かれた。就職にし…

大枝 岳志
1か月前
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【小説】 当たりが出ました 【ショートショート】

 小学校へ続く通り沿いに建つ駄菓子屋の「ひのや」は夕方になると、子供達が集まって来る。  狭い店内には駄菓子がぎっしりと並べられていて、店主のヨネ子は今年八十を迎えるが頭は呆ける素振りすらない。 「赤いのが三個、青いのが三つで百二十円ね。毎度」  特に愛想が良い訳ではなし、おまけにヨネ子自身特に子供達が好きな訳ではなかった。ただ単に家で暇を弄んでいるのに耐え兼ね、店を始めたのであった。  そんなヨネ子であったが、気まぐれで年に一度だけ「きなこ棒」に通常の「当たり」とは異な