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映像の作り方⑤〜知ってること全部

さてさて、撮影も終わり帰ってきた制作は、何をするのか?

制作に休みはありません。
撮影が終わるとこの後、編集と整音の作業が待っています。
編集は、本編集に入る前に仮編集ということをやります。
仮編集は、本編集に入る前にディレクターがやるオフラインというものです。オフラインと対照的に本編集のことはオンラインと言います。
仮編集は、余分なところを切って必要なところを理論的につないでいく作業。これが、短い30分番組でも2日くらいかかります。
仮編集の時にテロップを何を入れるか、どんな音楽をつけるのかを考えながら、やっていきます。ディレクターが編集をしている間、ADさんは後ろについて、それを見守ります。見守るというよりは、ディレクターの編集を盗むんです。

ディレクターが、2日間かけてやった編集が終わると編集シートというものをADが作ります。
編集シートとは、ひとつひとつのカットを00000000〜00000000までという表記を番組全部書いていきます。これは慣れないと一晩中かかってしまう。
翌日の朝10時から始まる本編集に向けての最終準備です。そしてADはもうひとつ仕事があります。
テロップの発注。
テレビ画面に出るテロップは、昔はワープロもないので写植屋さんに発注していました。
30分番組で大体100枚前後のテロップを発注します。普通のテロップで一枚700円。特殊なものは数千円します。なので発注原稿を間違えるわけにはいかないんです。間違えるとめちゃくちゃ怒られます!

いよいよ、本編集。
ポストプロダクション(編集業務を主にやっている会社で、編集室と整音室をいくつも持っているところ)に行きます。
今度は、放送に耐えられる画質と音でプロの編集マンが編集シートを元に編集していきます。これもまる1日ほどかかります。
今皆さんがYouTubeでよく見る状態です。

そして本編集が終わると、音響効果さんと構成作家さんとどんなテイストの番組にするか音楽とSEと打ち合わせ、そしてナレーション原稿(ナレーターさんが喋る内容)の打ち合わせをします。

そして、最後の整音(MAと我々は言います)。
ミキサーさんとナレーターさん、そして音響効果さんが集まり、音楽を入れてSEを付けて、最後にナレーターさんが構成作家の書いたナレーション原稿を見ながら、ナレーションを録音します。
これら全ての要素と現場音をうまく調和させるのがミキサーの腕の見せ所。
完成品が左右されます。

VTRが完成!!
これで局に納品して終わり。
じゃないんです。

各所、オフラインチェック・ナレーションチェックとチェックがありながら進んでいった最後の最後に放送前の最終プレビューがあります。
局の編成担当、チーフプロデューサー、タイムキーパー、などのスタッフが集まり、プレビューをします。
タイムは間違ってないか、CMの時間は間違っていないか、テロップの間違いはないか・・・クオリティはきちんとしているか・・・・。
チェックが終わり、初めて局に納品できるんです。

つまり、何が言いたいかというと映像を作るにあたってたくさんのプロフェッショナルたちが集まりひとつの番組を作ります。
だから、お金がかかるのは当たり前です。

パソコンの登場のおかげでこれらの作業が手軽にできるようになった反面、全ての責任を一人が追うことになっています。
映像を作るってこれだけ大変なことをしてるんだっていうことをわかって欲しいです。
『稼げるよ!』という宣伝が溢れかえっていますが、そう簡単ではないと思います。


僕らが映像をやってきているのは、お金のためにやってるんじゃない!!!
生活しなければいけないからお金は必要ですが、完成品の対価です。
熱い思いを胸に映像でその思いを伝えるために作っているし、見てもらいたい。
5000円で編集?いつか崩壊します。生活できないですから。
勘違いしてる企業の方々に言いたい、クオリティを保つには最低限のお金が必要です。トップオフしてる代理店の方々に言いたい、クリエイターを安く見せないでください。そして本当に編集を仕事にしたい、映像制作を仕事にしたいと思ってこれから目指す人たちに、『厳しいけど耐えられますか?』と言いたい。

文句は、これくらいにして次回からいよいよ撮影の仕方のノーハウをお届けしようと思います。











































































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