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キレイになる魔法の雑貨屋さん

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エッセイ、ショートストーリー、 幸せに役立ちそうな雑貨屋さんのようなコンテンツ
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#ショートストーリー

それは白髪じゃなくってホワイトラビット

そう言えば、 今年はウサギ年だからなのかなぁ〜、 ときどきホワイトラビットが、 私の周辺で飛び跳ねるんです、 ピョン ピョン ピョ〜〜ンって。 ところで、 ホワイトラビットって何で白いんだろう〜? もちろん毛が白いからホワイトラビットなんだけど、 でもそれって、白髪なのかなぁ〜? な〜んて、 たわいもない事を考えるのもどこか楽しい、 もうすぐ春な天気の良い日曜日です。 でもねぇ、 そういう時に跳ねたりするんですよねぇ〜、 ウサギって。 とつぜん、 「 白髪が出て

家族鉄道999にアナウンスが流れる 

自分の居場所を探して、 地球上空を旅する列車、 「家族鉄道999」は、 地上約9,000メートルの高さを、 マッハ2のスピードで、 ユーラシア大陸を通過していた。 列車が大陸の東に差し掛かかり、 高度を下げ、緩やかに減速を始めると、 前方のスクリーンでは、 車掌の挨拶が始まった。 その姿は、 地域による家族制度の影響がミックスされ、 性別、年齢、国籍、宗教、を織り込んだ、 まるで多様性の向こう側に住む、 宇宙人にも見えた。 車掌はこのエリアで降りる乗客に向け、 アナ

大門のガーファンクルにコンドルは飛んでゆく

水曜、予定のない午後3時、 普段なら、あまり降りない駅、 大門に降り立った、 コンドルが舞い降りるように。 まだ世間の退社時間には早いから、 この時間から開いてる店を探す。 ぐるりと360度、山の上から、 獲物を探すコンドルのように。 店先から上がる煙に、 コンドルは狙いを定めた。 焼き鳥で有名な秋田屋である。 昔から、その存在は知ってはいたが、 これまでチャンスがなかった。 「仕留めるなら、今だ!」 コンドルは翼をたたみ、 秋田屋の暖簾をくぐった。 ※ まず、中

案ずるより横山やすし

私は妖怪を飼っている。 しかも妖怪はコンビだ。 街を歩いていると、 ときどき良さげなお店を見つけるが、 「えいヤァ!」と、 気軽に入れないお店がある。 裏路地にあって、 何だか面白そうだけれど、 ちょっと清潔感が気になる店とか。 すると、あいつが出てくる。 わたしが迷うと顔を出す、 大きな目玉の主、 妖怪:「きよし」 またの名を「躊躇」 「きよし」はしっかり者で、 あまり新しい冒険を好まない。 混乱が起きないように、 内部をいつもしっかり固めて、 キチンと清潔に暮ら

オススメの末期医療

ちょいと、キーワード検索したり、 ふと読んでみただけの記事であっても、 次には、ご丁寧にオススメが、 目の前にズラ〜と並ぶ時代。 なるべく効率よく、便利、が好まれる時代。 悩み深める、手間かける、が嫌われる時代。 だって、みんな忙しいから。 ところで、僕たちは、 何で、そんなに忙しいのだろう? アイデアが湧きすぎて忙しいのなら、 斬新で革新的なものが、 次から次へと日々誕生し、 日本経済は、破竹の勢いで、 どんどん前進しそうなものだけど、 どうやら「停滞している説」

ココロ温まる 話

シベリアは寒い。 シベリアは、その歴史も寒々しい。 太古の時代、人々はマンモスを追いかけ、 雪と氷の大地に初めて踏み入った。 それから時は経ち、 ソビエト連邦スターリン時代に、 シベリアは流刑の地として、 政治犯や犯罪者が送り込まれ、 一度行ったら二度と帰れない、 極寒の地獄だった。 凍てついた大地の下は永久凍土で覆われ、 今もマンモスが眠る、ロシア・サハ共和国、 北東部にオイミャコンという村がある。 そこは地球の北半球で、 最も寒い人の住む場所と言われ、 ー73℃を

向こう側へ 船を出す

今日、明日、あさって、 その先、その先のまた先……。 どこまでが、 私たちの「リアル」? どこからが、 私たちの「リアルの向こう側」? 「未来」へは、 どすれば行けるのだろう? いい加減な毎日よりも、 ひとつ、ひとつ、丁寧な毎日は良い。 そうだけど、 まあ、そうなんだけれど……、 気がつくと、 感じ過ぎたり、 こだわり過ぎたり、 日々の中で、迷走したり、 森の中で、瞑想したり、 家の中で、メソメソしちゃったり、 未来への、想像力を、 目の前への、感情力が押しやる

ミッドタウン「 こども天安門事件 ⁉️ 」

昼下がりの六本木ミッドタウン、地下駐車場、 事前清算を済ませたお母さんが、 兄弟二人に「早く行くよ!」と急きたてる。 (お母さんには、重要な予定があるのだろう) でも子供たちには、 お母さんの事情なんて分からない。 お兄ちゃん(6 歳ぐらい)は、 事情は分からないけれど、 運動神経だけで、 何とかお母さんについて行く。 その後を、 弟(4 歳ぐらい)も、 ついて行こうとするが、 途中、 持っていたペットボトルを 落としてしまい、 転がるペットボトルを 拾ってる間に遅れ