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キレイになる魔法の雑貨屋さん

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エッセイ、ショートストーリー、 幸せに役立ちそうな雑貨屋さんのようなコンテンツ
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2023年2月の記事一覧

大門のガーファンクルにコンドルは飛んでゆく

水曜、予定のない午後3時、 普段なら、あまり降りない駅、 大門に降り立った、 コンドルが舞い降りるように。 まだ世間の退社時間には早いから、 この時間から開いてる店を探す。 ぐるりと360度、山の上から、 獲物を探すコンドルのように。 店先から上がる煙に、 コンドルは狙いを定めた。 焼き鳥で有名な秋田屋である。 昔から、その存在は知ってはいたが、 これまでチャンスがなかった。 「仕留めるなら、今だ!」 コンドルは翼をたたみ、 秋田屋の暖簾をくぐった。 ※ まず、中

心に溜まったクラゲを消す

もし、時間に少し余裕があるとして、 たとえば予定のない午後3時、 その時間を、 ある程度リスクなく、失敗のない消費として、 楽しむ映画 と、 その時間を、 将来、何に繋がるか分からないけれど、 少しリスクを掛け投資して観る映画 どちらも選択できますよね。 確かに、 毎日頭を使い続け、 細かい感情に対応し続けるほど、 無限の力を持つ頭じゃないなら、 コーヒータイムのように休憩したいだろうし、 かと言って、 毎日こんなもの見ていていいのか? 意味があるのか?という、

春を呼ぶ 呪文

北陸の2月はまだ寒い、 上空にシベリア冬将軍が、 陣取っている。 春を探しているケメコは、 どこかに春が顔を出してはいないかと、 近所をくまなく探したが見つからなかった。 春は中々顔を出さず、 寒い日が続いた。 ケメコは、 冬将軍の寒さを堪えて、セーター編んでみた。 ちゃんこ鍋に誘って、一緒につついてみた。 けれど、冬将軍はおいとまするどころか、 上空に居座っていた。 ※ 2月14日、バレンタインデー、 巷では、 チョコが、トレンドに入った。 ケメコは、トレンド

秘密基地という名の「ぬか床」

「も〜すぐ 春ですね!」っていう出だしの、 歌があったなぁ…。 春は、お引越しも増えるでしょうね。 ふと思った、 いや、なんか違うなぁ…、 匂った…、 それとも、よぎった…? ぐらいの感じかなぁ…。 風のように、気配はあれど、 まだ、形になっていないもの、 恐らく、形にはなりそうにないもの、 それが置ける場所ってないかなぁ〜、 しかも、かさばらずに…。 ところで、 その手のものって、何だろう? 暮らしの中の「その他」かな? 押入れの奥の、 整理してないコレクション

案ずるより横山やすし

私は妖怪を飼っている。 しかも妖怪はコンビだ。 街を歩いていると、 ときどき良さげなお店を見つけるが、 「えいヤァ!」と、 気軽に入れないお店がある。 裏路地にあって、 何だか面白そうだけれど、 ちょっと清潔感が気になる店とか。 すると、あいつが出てくる。 わたしが迷うと顔を出す、 大きな目玉の主、 妖怪:「きよし」 またの名を「躊躇」 「きよし」はしっかり者で、 あまり新しい冒険を好まない。 混乱が起きないように、 内部をいつもしっかり固めて、 キチンと清潔に暮ら