法人口座開設時に、メガバンクの担当は何を考えているか?
前回、会社設立時に法人口座は必要であり、どこの銀行で法人口座を作るか?について書きました。
今回は、メガバンクの法人口座を開設することを考えた時に、申し込む側は、どのような準備が必要か?を書き留めておきます。
メガバンクからの質問は、何か?
記憶している主な質問項目はこちらです。
1)職務経歴
2)事業計画の見込み
3)資本金
4)オフィスの存在、利用状況
5)他行の法人口座開設状況
仕事もプライベートも全ては、Integrity(誠実さ)が、信用の根底にあるので、正直にフラットに回答しました。ただ、これらの質問の意図を考えながら、適切だろうと思う回答をしたので、先方と会話しながら私が考えたことが、どなたかの参考になるかもしれないので、書いておきます。
メガバンクの担当は、何を考えているか?
まず、先方からの質問は、法人口座開設プロセスにおける審査の一つであると認識することが必要です。それらを踏まえて、担当者の意図の想定と、私の回答の概要がこちらです。
1)職務経歴の中身をチェックすることで、これからの会社経営の実現性や安全性を確認したいのではないか?
⇒ フラットに職務経歴の概要を説明した上で、これから経営する会社、事業との関連性を強調しました。結局のところ、私がちゃんと会社経営をできるか?はやってみないとわからないので、会社経営ができるだろう根拠を論理的に説明できるかが大事だと思います
2)3)法人口座を開設したが、いきなり資金ショートしたりしないか?ちゃんとキャッシュフローが回っていくのか?そもそも、それらについて考えているのか?
⇒ 1)と同様、2)は、結局わかりません。副業や個人事業主をしてキャッシュフローを回した上で、法人化して法人口座を開設するならまだしも、エクセルで詳細なパラメータ分解などを事業計画を立てても、わからない話です、特に売上(キャッシュイン)は。よって、私は、全然わからないですが、キャッシュフローの構造を分解し、自分がコントロールできるキャッシュアウトの統制の考え方を説明するとともに、キャッシュインは検証中だと話しました。要は、ちゃんとキャッシュフローを考えていることを訴求したのです
4)マネーロンダリングなどをするペーパーカンパニーではないか?ちゃんと実在する会社なのか?
⇒ 銀行側は、ちゃんと抑えないとポイントです。前にも記載しましたが、私はコワーキングスペースにしたので、ここで引っかかるのではないか?と危惧していました。よって、コーワーキングスペースであることの必然性をまず訴求しました。キャッシュフローを考えると、地代家賃の固定費をいきなり突っ込むことは得策ではない点、そして、短・中長期を考えると、人的ネットワークの拡大が必要だがそれにも寄与する点、を訴求しました。どれくらいオフィスにいるか?という質問も併せてありましたが、これも率直に、顧客次第なのでどの程度になるかは正直わからないが、週に2-3日程度を想定している、と回答しています
5)他の銀行は、この会社を信用しているのか?弊行がババを引くことはないか?
⇒ この会話の前に、ネット銀行の法人口座開設が完了しているので、そのまま回答しました
審査の質疑応答に関する所感
この質疑応答が終わって少ししたら、審査完了と法人口座開設OKのご連絡を頂いたのですが、所感についても、少し書いておきます。
上記1)~5)の質疑がありましたが、会話した感覚では、1)~4)が本当の審査上大事な話であり、総合的に判断する材料である一方で、5)は銀行特有の横並び意識の表れなのだと思いました。
1)~4)は、こちらが持っている材料は限られていますが、正しく判断してもらえるように、論理的にしっかりと説明することが大事だと思います。もっと言えば、会社経営に関する思考のプロセスを正しく先方に伝えて納得してもらうことが重要だと思います。5)は、ネットバンクでの法人口座が開設されているかいなか、が大きく作用するので、必ずネットバンクを先に開設しておいた方が良いと思います。
おわりに
なんだかんだいって、審査、というものなので、こちらとしては緊張感が高いやり取りになります。これから、メガバンクに法人口座を開設する、という方々に、少しでもお役に立てればと思いました。どうぞ、ご参考ください!
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