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🇹🇭絶景、タイ南部の干潟@とある町2009

2008年以降、私はマレーシアに近い、タイ南部に入り浸っていた。地域の人々とも顔見知りになり、ここを安住の地にしても良いかと思うようになった。

ゴムの木の畑が延々と続く田舎。
たまにはビーチに出るのも良いと言うことになり、一泊二日で海側で宿を取った。

夕暮れ海岸に出ると潮が引き、遠浅の干潟が延々と続いていた。圧巻だった。

ここは、昼間全て海だった。それが全て干潟になっている。人は誰もいない。

耳を澄ますと奇妙な音がした。「ザワザワ、シャカシャカ、ザワザワ」小さな音が足元で聞こえる。

ーー小さな蟹達だった。

パチンコ玉程度の小さな蟹か大量に群れをなして歩いていた。潮が引き、一斉に顔を出したようだ。

日がどんどん落ちていく。早く戻らないとゲストハウスの場所もわからなくなるし、何より海を知らない私はここがまた海に戻ってしまい溺れてしまうような怖さに襲われた。

見事な干潟だった。その日が落ちる瞬間、辺りは一気に真っ赤に染まり、例の「ザワザワ」という蟹達の行進曲だけが私を癒してくれた。

タイ最南部。タイ最深部。危険地域。そんな言い方もあるこの地域。話す言語もタイ語に聞こえない程なまりも強い。

しかし、バンコクの喧騒からも離れたこの地との付き合いは一生続く気がした。

ーータケシ

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