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いわきFC:試合ごとに成長する!

 J2リーグ第7節、4月2日(日)、対ファジアーノ岡山戦をネット観戦。ネット観戦の良い点は、相手監督のインタビューを見ることができる点である。岡山の木山監督は、試合前のインタビューで、いわきへのリスペクトを示しつつ、戦略重視の知将らしく「対策はできているよ」との印象を与えていた。実際、岡山の布陣は、3バック、両サイドバックをライン際に配置し幅を広く取り、いわきのハイプレスを回避する作戦だった。ヨルディバイスと柳という屈強なセンターバックから、いわき陣の左右奥へのロングフィードと合わせて、岡山の戦略は、試合を通して有効であった。結果、この試合のシュート数は、岡山13(枠内3)、いわき4(1)であった。いわきのシュート数がこれほど少ないのは、初めてのことではないか。
 試合結果は、1-1(前半、いわきの1-0)のドロー。試合終了間際まで勝ち点3が見てていたことからすると、残念な結果であったが、本音を言うと、「よく逆転されなかった」というのが正直なところである。上位チームとのアウェイ戦での勝ち点1は、良しとすべきであろう。しかも、わが村主監督の采配も良かった。選手たちの成長と相まって、いわきFCの上向き成長曲線が見えてきた一戦であった。
 さて、この試合では、いろいろなことが起こった。開始10分、いわきの先制点は美しい連携から生まれた。永井選手がドリブル・カットインを仕掛け、有田選手にショートパス、これを有田選手がつま先で斜め前方に流すと、走りこんだ宮本選手が、キーパーをよく見て、ゴール右隅に蹴りこんだ。久しぶりに見た、美しい連携からのゴール。早い時間帯だったので、今日は、大量点か、と意気込んだが、そう甘くはなかった。前半27分、遠藤選手のイエローカード。岡山のセンターフォワードは、アラジンと魔法のランプに出てくる魔法使いジーニーを思わせる巨漢(櫻川ソロモン)で、しかも、結構素早い選手。遠藤選手は、櫻川選手をファールで止めて、今シーズン初のイエロー。この試合のいわきは、少ないシュート数のほかに、イエロー3枚(岡山は1)という珍しい記録。イエローが少ないいわきの苦戦ぶりがこの面にも表れていた。前半42分、櫻川選手は、ゴール前1対1の場面でのシュートをポスト直撃で外してしまい、いわきは同点を免れた。
 押され気味のいわきは、後半16分、2選手の交代で、攻撃と守備の活性化を狙った。左サイドバックの石田選手に代えて辻岡選手。左サイドハーフの永井選手に代えて有馬選手。両選手ともJ2初出場。この交代が、またまた、いろいろな「事件」につながったのである。有馬選手の復帰は、いわきサポーターの念願であった。シュートがうまい有馬選手の復帰は、得点力向上に弾みをつけるはずだ。ところが、その有馬選手は、入ってから5、6分で、相手の大型CB柳選手と接触。あご付近に相手の頭が当たりKOされてしまったのだ。せっかく怪我から復帰したのに、、、と心配したが、幸い少したって回復し、最後までプレーした。もう一人の交代選手に辻岡選手を選んだことは、村主監督の深い意図があるような気がした。同選手は、特別指定で大学3年生だが、身体は大きく強く、スピードもあるDFである。後半26分に登場したルカオ選手をはじめ岡山の選手達は、第5節の徳島や第6節の町田とくらべると、身体が大きく強いので、辻岡選手を選択したことは、合理的であった(後の悲劇を除けば)。村主監督が、DFのバックアップとして速水選手(後半43分に投入)ではなく辻岡選手を先に投入したのは、この先の長い過密日程を考えて、徐々に選手を慣らしていこうという考えが背景にあるのだろう。
 ロスタイムに悲劇。皮肉にも大型選手ではなく、ルカオ選手と同時投入された比較的小柄な木村選手のドリブルを辻岡選手が、ペナルティボックスの境界線付近で倒してしまいPKを与えてしまった(ビデオ再生で見ると接触は、ペナ外側で、倒れたのは内側)。いわきサイドから見ると、誤審じゃないのかと思えるものだった。ただ、後半29分の岡山のコーナーキックが、遠藤選手の体に当たった後、山下選手の手に当たってコースが変わった時、ハンドの判定が出てもおかしくはなかった(目の前にいたヨルディバイス選手は、しきりにPKを主張)ことを考えれば、「幸運」と「不運」で帳消しかなと思う。岡山戦は、球際の激しい消耗戦だったが、ともかく一歩前進ととらえたい。
 第8節は、ホームで大分トリニータとの戦い。またまた、上位チームとの対戦で、苦戦が予想される。しかし、いわきFCは、戦いながら成長するチームである。相手チームもいろいろいわき対策をしてくるが、それを上回るフィジカルに裏付けられた容赦ない気合で、圧倒し成長する姿を見せつけてほしい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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