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いわきFC:Defeated relentlessly?(容赦なく打ちのめされたのか?)

 J2リーグ第11節、4月23日(日)、対栃木FC戦を現地観戦。初めてカンセキスタジアムへ行った。いわきから常磐道、関越自動車道経由で約2時間、思った以上に近い印象。カンセキスタジアムは、収容人数が約2.5万人。当日の入場者数が約5.2千人で、グリーンフィールドなら満杯だが、席は十分余裕があり、バックスタンド中央2階席に陣取った当方は、観戦環境としては満足できるものであった。専用スタジアムではないので(陸上トラックあり)、臨場感がイマイチだったが、全体を俯瞰できる点、グリーンフィールドとは違う雰囲気を味わえた。
 試合結果は、0-1(前半0-1)の敗戦。開始2プレー目、栃木右サイドからゴール前に上げられたFKのボールを相手DFにヘディングで叩き込まれ先制を許した。「またまたボールウォッチャーかよ!」と嘆いたが、後で映像を確認すると、いわきDFもちゃんと競っていた。「競り負け」が、この先制点だけでなく、試合全体の敗因であったのに納得したのは、いわきに帰って映像などを見てから分かったことである。
 ゲーム中は、「今日のいわきは、動きが悪い、コンディショニングに失敗したのか?暑さにやられているのか?」とか首をかしげ続ける場面が続いた。接点への寄せが遅い、セカンドボールの回収が少ない、ボールロストが多い。後半の立ち上がりこそ攻勢を強めたが、15分、有田選手がゴール前の競り合いの後、グランドに倒れこみ、結局担架でピッチ外へ。これで、得点の可能性が著しく下がった。後で分かったことだが、有田選手は、鼻血が出るほど顔面へのダメージがあったそうだ。出血といえば、遠藤選手も後半37分に倒れこんだときに傷んでいたようだ。俯瞰ビューも良いが、細かい点は、遠くからではよく分からなかった。
 ハーフタイム中に、相手の時崎悠監督にイエローカードが出ていたのにも気付かなかった。時崎悠と言えば、福島ユナイテッドで選手・監督を務めたレジェンド。2021年天皇杯福島県予選決勝で、福島ユナイテッドを指揮し、当時JFLのいわきFCに0-2の敗戦。彼にとって今回はリベンジの機会だった訳である(ちなみに、昨年2022年は、J3対決、服部年宏監督の福島ユナイテッドが1∸0でいわきFCに勝利)。思い起こせば、時崎氏の福島ユナイテッドは、ロングボールを蹴りこみ、セカンドボールを回収する「キック&ラッシュ」のサッカーだった。今回もそのような戦術を取り、最初は新たないわき対策かと思ったが、実は時崎流だったのである。この球際に厳しい肉体のバトルで傷んだのは、いわきFC石田選手(前半34分)、栃木FC矢野選手(前半45分)など。担架要員はこの日忙しかった。栃木FCが疑似いわきスタイルだったのは、スタッツからも明らかで、ポゼッションは、それぞれ50%。シュート数、栃木17(枠内5)対いわき7(枠内2)。パス数、栃木250対いわき318本。FK、CKとも栃木が多かった。いわきのハイプレス回避策として、「単に前へ蹴り、セカンドを回収する」のが功を奏した結果となった。後半開始から約15分は、いわきのテンポの良い攻撃が続き、同点も時間の問題かと思われた矢先、有田選手の負傷退場で「水入り」となり、結局1点が遠かった。いわきスタイルは、縦に速く、ワンサイド密集で、セカンドを回収し続け、相手の消耗を即し、仕留めるのが理想であるが、なかなかそうさせてもらえない。
 カンセキスタジアムは、なかなか良い施設ではあったが、いわきの新スタジアムは、やはりサッカー専用として、多目的を目指す場合も、陸上トラックは「なし」にしてほしい。帰途につく前に、ベタな選択ではあったが、「来らっせ本店」を訪れ、いろいろな餃子を合計18個も食べた。
 今回の敗戦で、下から4番目の19位に沈んでしまったが、若い力の反発力に期待したい。科学に裏打ちされた肉体+裂帛(れっぱく)の気合をもって次節V・ファーレン長崎(29日・土)に臨んでもらいたい(格闘技のコーチ・練習も必要なのかなあ~)。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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