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いわきFC:大宮に大勝、何が変わったのか?

 J2リーグ第22節、6月24日(土)、対大宮アルディージャ戦をネット観戦。結果は、5-1の圧勝。大宮が気の毒になる内容であった。この大宮戦で見えたいわきFCの変化、後半への期待を考えて見たい。
 先制点は開始7分、谷村→有田→吉澤選手。ロングボールを吉澤選手が競り、こぼれたボールを谷村選手が右の有田選手に展開、有田選手が強引にボールを前に運び、GKとDFの間に鋭いパス。これを、吉澤選手が体ごと押し込んだ「泥臭い」ゴール。この試合は、田村監督になってから2戦目。「4-1-4-1」または「4-3-3」の新システムが機能した。吉澤選手を槍の穂先のように配置したもので、これがいきなり功を奏した形。2点目は25分、宮本選手の見事なドリブルシュート。谷村→下田→宮本と渡って、宮本選手は3人のDFに囲まれながらも、素晴らしいボディバランスと巧みなキックフェイント、落ち着いてゴール左隅を狙ったパスのようなシュートと超一流の技術を見せてくれた。宮本選手の攻撃力が活きたのは、いわきの新布陣が大いに関係している。下田選手をDFラインの前にアンカーとして置くことにより、守備が安定し、山下、宮本両選手が攻撃力がより活きるようになったのが大きい。3点目は39分、有田選手が粘ってつなげたボールを江川選手が鋭いクロスをゴール前に入れると、相手DFがまさかのオウンゴール。結果、前半だけで3点を挙げた。3点も取ったのは、今シーズン初めてのこと、攻撃が上手くいく好循環がやっと生まれた。
 いわきの積極性は、後半になっても衰えず、55分に谷村選手4点目、75分に1点を返されるも、83分に岩渕選手が相手ミスを見逃さず豪快に蹴りこんで5点目を取った。この大勝の予兆は、6月19日(月)の対流通経済大との練習試合(いわきグリーンフィールド、3-1で勝利)にあった。この練習試合の前半、CFに入った吉澤選手は、先制点奪取に貢献、また、後半残り30分から2列目に入った岩渕選手は、3点目の起点となる大きなサイドチェンジでトップチーム選手の質の違いを見せてつけた。ちなみに、大宮戦の翌日に行われた國學院大とのテストマッチは、0-2で敗れたが、この試合には、トップチームの選手は、GKと石田選手しか出場せず、詰めかけたサポーターは、少しがっかり。
 大宮戦の大勝で、後半戦への期待が高まったが、特に何が変わったのかを考えてみよう。システムの変更。アンカーを置いて守備を安定させた。6月7日(水)の天皇杯2回戦から登場した下田選手が、山形戦、千葉戦とフル出場(天皇杯は延長前に交代)。大宮戦は、ハーフタイムでの交代となったが、3-0でリード、前半にイエローカードをもらっていたので、ベンチは思い切りよく交代させた(→永井選手)。この交代の早さは、田村監督の以前の采配を知る者からすると、ちょっと驚きである。JFL時代は、なかなか選手交代を行わない印象だったからである。大宮戦では、後半15分に、吉澤→岩渕、谷村→加瀬、29分には家泉→石田、40分には遠藤→速水選手と、次々に交代カードを切った。控えも含めた全員で戦うという一体感を盛り上げる采配がチームを活性化させたようだ。岩渕選手のゴールの際には、ベンチの選手たちが、遠く反対側のコーナーまで祝福に駆けつけ、全員で喜びを爆発させていた。岩渕選手の言わば「ずる賢いゴール」は、今節のいわきFCにはなかったもので、多くの不利または不運な出来事(判定を含む)の流れを変えていく力となると思う。
 次節は、7月2日(日)、アウエーの秋田戦。5月14日(日)のホーム戦では、不運なPKから0-1の敗戦を喫した相手に対して、「魂の息吹くフットボール」を取り返したいわきFCのリベンジ大勝に期待したい。ところで、大宮戦、筆者は、WINNERを購入(これで2回目)、いわきの勝利にベットし(2-0と大勝に200円ずつ)、結果、大当たりであった。秋田戦に2匹目のドジョウはいるのか、楽しみにしたい。
 
 
 
 
 
 

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