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中古の輸入車は壊れるのか?②

前回の続き。
まず、中古の輸入車と一言で言っても、いくつかのカテゴリーに分けることができ、そのカテゴリーによって、故障や修理の発生をある程度推測することができる。

①正規輸入車の中古車
国内のあちこちにある輸入車ディーラー(ヤナセなど)が正規輸入車として新車で販売したクルマの中古車。
販売元の正規ディーラーへ依頼すれば、修理や整備は可能。車両価格は高いが、安心をお金で買う人向け。

②新車並行輸入車の中古車
正規ディーラーではない業者が、海外の販売業者から新車として輸入したクルマを、国内で使用した結果の中古車。
国内の正規ディーラーでの修理や整備は望めない。購入した販売業者へ依頼するのが一般的。国内での安心感は少ないが、輸入された時点では新車なので、当然ながら故障は少ない。

③中古並行輸入車の中古車
本国で使用された中古車を、国内の業者が輸入した中古車。世の中に流通している中古の輸入車はほとんどがこのパターンである。
国内に輸入された時点で中古車であり、本国での使用状況や履歴はまず不明。当然ながら、輸出されるクルマに丁寧な整備などされているはずがない。

安心度で言えば、①>②>③となり、価格帯も同じ順序である。
しかし、そのセオリーを覆すことがある。
それは「中古の並行輸入車を購入したオーナーが、何らかの理由で手放した中古車」である。
手に入れた中古並行輸入車を時間とコストをかけて整備したが、何らかの理由で手放したクルマは、基本的な整備はされており、オーナー自身が作成した整備簿がある場合もある。
この手のクルマは販売店に並ぶことは多くない。知人間での売買で完結することが多いからである。

中古車の闇は「以前の使用状況が不明」に尽きる。近所の人が新車で購入し、たまのドライブに使用し、毎週日曜日に洗車をしているようなクルマは丁寧に扱われていると容易に判断できる。

エアコンコンプレッサー周り交換
フード・インシュレーター交換
プラグコード交換
デスビキャップ、ローター&コイル交換
スタビライザー・ブッシュ交換

結論としては、クルマに限らず、どんなものでも使用すれば消耗、劣化する。それによって不具合が発生してからの対応が「修理」であり、不具合が発生する前の対応が「整備」である。
キチンと整備されたクルマは簡単に故障しない。たとえ購入したクルマが「ハズレ」でも、結果を見据えて整備すればデイリーユースは十分可能である。

映画「グラン・トリノ」の制作者が、「手に入れたクルマに全身全霊を傾けるうちに、そのクルマはその人の分身となる」というコメントをしている。
「我が家に来たクルマは、我が家の子」である。

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