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続:学部改組ビフォーアフター

2017年4月に誕生した神戸大学国際人間科学部から初めての卒業生が出るだけの月日が流れました。学部改組に合わせてカリキュラムもいろいろ変更がありましたが、2021年度から再びカリキュラムが改正されることになりましたので、どう変わったのかを書こうと思います。

グローバル文化学科のことしか書きませんのでご了承ください。
前回のカリキュラム改正については以下の記事をご参照ください。

4講座 → 3プログラム → 4プログラム

グローバル文化学科をさらに分けた単位であるプログラムというものがありますが、名前以外はほぼ元に戻りました。

↓↓ 間違い探しみたいでしょう? ↓↓

図2

カリキュラム改正の理由
・3プログラムごとの教員数に差があることから学生定員数にも差をつけたが、学生の志望は3プログラムが均等に近くなり、教員学生比に格差ができてしまった。
・大学院の分け方と学部の分け方が不一致なせいでいろいろ面倒だった。

それらのデメリットを上回るだけのメリットがそもそもなかった?

各プログラムの「概論」科目が復活

前回のカリキュラム改正にて各講座の内容をオムニバス的に紹介する4つの概論科目が廃止されて、代わりに「グローバル文化学科」の学生なら誰もが知っているべき大学レベルの世界史・地理を教える学科共通科目を開講することになったのですが、やはり概論へと戻すことになりました。

カリキュラム改正の理由
・担当教員が自分の分野の授業をする授業になってしまい、担当教員がローテーションされるため年度によって内容も大きく変わるなど、当初の目論見とはかなり外れた授業になってしまった。
・概論がなくなったことによって、各プログラムの内容を知る機会が少ないままにプログラムを選択する状況が生まれてしまった。

当初の目論見通りの授業ができていれば、必ずしも元にも戻す必要はなかったかもしれません。

プログラム選択時期:1年終わり → 2年前期終わり

1年生の終わりにプログラムを選択してもらっていたのを2年前期の終わりに選択してもらうように半年後ろにずらすことにしました。

カリキュラム改正の理由
・プログラム選択前に各プログラムの内容についてより知る機会が少ないという状況に対しての対応。

概論科目もなかったこの4年間は各科目について知る機会が少なく、たまたま1年生の科目を担当していた少数の先生の印象でプログラムを選択している傾向が強かったように思います。

演習科目がクォーター科目からセメスター科目に

前回のカリキュラム改正ですべての科目がクォーター制(1科目7.5コマ1単位)になったのですが、このたび演習科目だけはセメスター科目(1科目15コマ2単位)に戻すことになりました。

カリキュラム改正の理由
・授業回数が少ないと演習で十分に積み上げることができない
・講義科目は短期間でいろいろ受けることができるメリットがある

個人的には逆(演習はクォーター、講義はセメスター)の方が好みなのですがね…。組織内パワーバランスで敗北しました。

同名の演習が2つまでは取れるように

カリキュラム改正前は、同じ名前の演習が大量にあって、いくつでも取れるというバグみたいな状態でしたし、ほとんどの単位を演習で取るような学生が多い状態でした。これを修正するため前回のカリキュラム改正では、同名の授業は複数取れないようにしました。そして今回のカリキュラム改正によって同じ名前の演習を2つまでは履修することができるようになりました。(正確には各科目に別名を付けて違う名前にしています)

カリキュラム改正の理由
・Aプログラムの演習とBプログラムの演習は名前が違うので両方履修することができるのに、Bプログラムの内容が異なる演習は名前が同じなのでどちらか一方しか履修できないというバグの修正。
・かといってまたいくつでも演習をとれる状態に戻すのは避けたい。

元に戻さなかったこと

ここまで読んできたみなさんは、今回のカリキュラム改正の多くが、前回のカリキュラム改正を巻き戻す内容だったことがお分かりいただけたかと思います。今回のカリキュラム改正は不具合修正的な側面が強いのでそれも致し方ないところかなと思います。逆に言えば、今回戻さなかった部分はうまくいっていると考えられている部分になると思います。

・前回新設した学部共通科目はほぼ変更なし
・Global Studies Program は必修のまま(ただし、オンライン研修が認められるように)

うまくいっているんですかね?

今回は言いたいこと全部書いてしまったので有料パートはありません。最後まで読んでいただいた皆様ありがとうございました!

ここまで読んでくださってありがとうございます。サポートいただけましたら意欲ある学生を支援するのに使わせていただきます。