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土地の境界確認 調査・測量

equal草津事務所で取り扱っている境界確認業務などについてご案内いたします。

1.役所での資料調査

境界確認のご依頼をいただいたとき、まず最初に役所にある資料を調査することからスタートします。

1-1.法務局

公図:「地図」や「地図に準ずる図面」とも呼ばれます。最近の区画整理で作成された精度の高い図面もあれば、明治時代の地租改正事業で作成されたものが引き継がれている図面もあります。
土地の形状や大きさはともかく、ご依頼をいただいた土地の隣接地を確認するために利用します。

公図
公図

地積測量図土地の面積(「地積」といいます。)、隣接地、境界標の種類、測量の際に使用した基準点などが記載されています。
昭和30年代終盤頃から法務局に備え付けられるようになりましたが、やはり古いものは記載事項が誤っていたり、精度が悪かったりします。
特に昭和50年代初頭までは、現地での立会いが必須ではなく、机上で作成した図面を基に分筆が可能であったこともあり、取扱いには注意が必要です。
一方、境界点や引照点(※1)、基準点(※2)について座標値(※3)が記載されている図面であれば、かなりの信頼性があります。
※1 引照点:付近のマンホールなど長期にわたって動かない物。
※2 基準点:測量するときの基準になる点。
※3 座標値:縦軸(南北)をX軸、横軸(東西)をY軸とした座標系において、X軸、Y軸の交わる原点(X=0,Y=0)との距離を示した値。

地積測量図
地積測量図

登記事項証明書:土地の所在、地番、地目、地積、所有者などが記載されています。
これらの記載事項について変更があったときは、法務局に変更登記を申請しなければ変更後の事項が反映されません。
そのため、現況が変わったのに、登記申請していなかったため、登記事項証明書の記載と現況が相違している場合もあります。

登記事項証明書
登記事項証明書

閉鎖事項証明書:現在の登記事項証明書はコンピュータ化されていますが、それ以前は紙媒体で管理されていました。この紙媒体で管理されていた当時の登記記録のことを閉鎖事項証明書や閉鎖謄本と呼びます。
現在に至るまでの変更登記の履歴を確認することができます。

閉鎖事項証明書
閉鎖事項証明書


土地台帳
:不動産登記制度ができる以前に、課税のために作成された台帳です。閉鎖事項証明書よりもさらに遡って変更の履歴を確認するときに調査します。

土地台帳
土地台帳

1-2.市役所、県の土木事務所

道路や水路などの公共用地との境界(官民境界)についての資料を調査します。
法務局の地積測量図は、平面に境界線が記載されているシンプルなものですが、官民境界の資料には、境界だけでなく付近の現況(ブロックや石積み、水路構造物、建物、マンホールなど)が記載されている現況平面図や、境界付近を切り取った目線で書かれる断面図も備え付けられています。
この他には、必ずしも境界と一致するとは限らないのですが、建物を建築する際の建築確認の概要書を調べることで、建築当時の境界の認識を調査したり、道路台帳に記載されている道路の幅員を確認したりすることもあります。

役所


1-3.自治会や博物館にも

地域によりますが、地元の自治会や博物館などにも地図が保管されている場合があります。
法務局備え付けの公図(地図に準ずる図面)よりも保管状況がよく、詳細な記載がされているものもあるため、公図の精度が悪いときには重要な資料になります。

古図
古図

◇報酬 資料調査 30,000円

2.現況測量

測量

トータルステーションと呼ばれる測量機器を用いて、土地の現況を測量します。
特に境界標(杭や金属プレートなど)や境界ブロック、マンホール、構造物の角などは、事前に調査した資料と照らし合わせるため確実に測量します。
また現況測量に基づいて作成した図面について、境界確認の目的以外にも利用していただきるように、基本的には道路幅など付近の状況も測量しております。
この他、建物を建築される予定であれば、電柱や電線、隣接地の建物を測量したり、必要に応じで高さ(レベル、三次元)の測量をしております。

◇報酬 現況測量 50,000円~(測量する面積に応じて変動)

3.境界確認

境界確認

資料を調査し、現況を測量した段階で概ねの境界線を推測します。
また正確な資料があれば「ほぼこのポイントで間違いない」という制度で境界を復元できることもあります。
こういった下準備をした上で、ご依頼人様や隣接地所有者の方に現地で立会いをしていただきます。


3-1.民民境界

現地立会いで関係者の認識が一致すると、筆界確認書を作成いたします。
これは図面上に境界線を赤線で示したもので、今後、改めて測量をした場合でも境界を正確に復元できる内容のものになります。
この筆界確認書に関係者の署名・押印をいただき、各々にお渡しさせていただきます。

3-2.官民境界

道路や水路などの公共用地との境界を確定する必要がある場合、管轄官庁に境界確定の申請をした上で、現地の立会いを行います。
問題なく境界を確認できれば、官民境界確定協議書と呼ばれる書類に関係者の署名押印をしたものを管轄官庁へ提出します。

市町村によって取扱いは異なりますが、滋賀県では自治会長の立会い・署名押印が求められ、農業用地に関連する場合は農業組合長や水利組合長の立会い・署名押印も必要になるケースが多くあります。
また、道路や水路を挟んだ対面の土地の所有者からも署名押印をいただかなければならないとされることもあります。

◇報酬 個別見積もり(確認する境界点の数、関係者の人数によって変動)

4.地積更正登記・分筆登記

資料調査、測量、立会いを経て作成した筆界確認書を添付して、法務局に登記の申請をすると、登記記録に記載されている地積が実測値に書き換わります(地積更正登記)。
また1筆の土地を2筆以上に分割することもできます(分筆登記)。

◇報酬 地積更正登記 45,000円~

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