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書痙の仕組みと治し方~人前で字を書く時に手が震える・・・

動画紹介(文字起こし全文掲載)

今日ご紹介する動画は、「書痙の仕組みと治し方」です。

「書痙を治すことを諦めたとき、書痙は治り始める」

書痙でお悩みの皆さんに、この言葉をお伝えしたいと思います。

書痙の悩みは、本当に深い苦しみなので、「この苦しみをどうにかしたい」と非常に悩むわけです。

その中には、書痙の仕組みを正しく理解できていないために、かえって書痙の苦しみを深めている方がいらっしゃいます。

書痙の仕組みを正しく理解し、「書痙を治すことを諦めたとき、書痙は治り始める」という真意が腑に落ちたとき、書痙の治し方、書痙との向き合い方が定まっていくでしょう。

(※2020年1月20日投稿動画)

書痙の苦しみ

今日は「書痙」についてお話します。

「書痙」とは、人前で字を書いているときに手が震えてしまう、ということです。

今日は、書痙に悩んでいる人向けに、書痙の仕組みと治し方について、お話していきたいと思います。

例えば、ホテルの受付、結婚式の記帳、市役所の受付で、人前で字を書く。

そのときに人に見られると、急にドキドキして、ものすごく緊張します。

書痙の人の悩みは、とても大きいものなんですね。

ここで手が震えてはならない・・・でも震えてしまう。

異常に思われるかもしれない、ということで、非常につらいんですね。

ある方は会社の社長さんで、平社員のときはそうでもなかったのですが、専務や社長になると、急に銀行で話したりサインをすることが多くなった。

シーンとした銀行の応接間でサインするときに、皆に見られる。

これがたまらなくつらいんですという方がいました。

この書痙は、結構厄介な悩みなんです。

厄介な悩みとは何であるかというと、明らかに震えているのが分かるので、傷つくレベルが半端じゃないんですね。

そうなると、その人の世界でどうなるかというと、人前で書くことが想定される場面を怯えるようになります。

例えば、来週出張でどこかに行くというとき、パーンと思いつくのは、ホテルでサインしなければならないということ。

あるいは、就活しているときに何があるかというと、人が見ているところで自分の名前を書かなきゃならないと想像する。

色んな場面で、人が人として生きていく以上は、人前で書くという行為は必然的に生じる。

それはあまりにもつらいわけなんです。

そこで、どのように対応するかということですが、書痙の人の対応の仕方というのは、とにかく震えたくないので、気合の世界なんですね。

「震えてはならない・・・!」という感じで、死に物狂いで書く手に力を入れるのか、あるいは意識して震えないようにするか、とにかく凄まじく書字する際に身体がカチンコチンになっていると思うんですね。

けれども、皮肉なことにブルブルと震えてしまう。

ここにはある過ちがあります。

悩めば悩むほど書痙であり続ける

それを、2つの面で話していきたいと思います。

ちょっと皆さんに体感していただきたいのですが、身体全身にギュウ~~~~ッと力を入れてみてください(10秒程度)。

これを、5分、10分と続けられる人はいますか?

恐らくいませんね。

書痙の人は、それくらいの世界で生きているということです。

つまり、手や腕の緊張が高まれば高まるほど、緩みが必要になってくる。

それが震えなんです。

これが書痙の仕組みになります。

つまり、身体に力を入れれば入れるほど、身体は逆に解放を求めるようになるわけです。

書痙もそうです。

力を入れれば入れるほど、筋肉は緩みを求めるので、必然的に震える必要性が高まっていき、自動的に震えてしまう。

本人の思考、意識、意志では、敵わない身体の仕組みに抵抗しているだけなんですよね。

だから、結論として、震えないようにということで必死に抑える方向では、一生震え続けるでしょう。

これをいかに和らげていくかが大事になります。

次に、もう一つの仕組みをお伝えします。

私たちの意識というのは、日頃は色んなところに向いていると思うんですね。

例えば、私の例としては、喋れているかな、光が眩しいな、終わったら何食べようかな、上手く説明できてないな、などというように色んなところに意識が向いているわけです。

ところが、私がもし書痙だとして、「佐藤さん、ここに名前を書いてもらえますか」と言われた瞬間に、ドキンッとするわけです。

また人前で手が震えたらどうしよう、となる。

そこで、意識がどこに向くかというと、これまで色んなところに分散していた意識が、全部吹っ飛びます。

そして意識がどこに向かうかというと、ペンを持っている手、ここに全ての意識が向きます。

そうすると、人間が色んなところに分散させて意識を向けていたエネルギーが、この手が震えるかどうかというところに100の意識が向くようになる。

つまり、普通の人というのは、人前で書くというところに1くらいしかエネルギーを向けていないのに、書痙の人は100のエネルギーを注ぐわけです。

これでは、震えるのは当たり前なんですよ。

人前で書くということに意識を向けることで、手が震えるんじゃないかという意識を強化して、さらに意識を強固にします。

強固にした意識では、さらに手が震えるかどうかが気になる。

そして、実際に手が震えたとき、ますますこの手の震えに意識が向き、ますます意識が強固になる。

もう手が震えるかどうかが自分の世界の全てになっちゃうんですね。

書痙の人は、悩めば悩むほど書痙であり続けるということです。

幻想の世界から現実世界の行動を増やす

では、どうしていけば良いか。

書痙の人は幻想の世界で悩むんです。

まだ見ぬ未来、まだ実現せぬ将来のことに対する不安と恐怖というものをただただ膨らませていって、ただただ思考する。

震えるんじゃないか、見られたらどうしよう、ということに意識が向いてしまい、現実ではない空想、幻想の世界に生きるようになるんですね。

つまり、この幻想の世界から離れて、いかに現実生活を増やしていくことができるかが大事になります。

だから、予期不安と言うのですが、例えば明日、人前で書かなければならないというとき、その前日からすごく緊張してしまう。

そういった時には、その前日に手の震えのことではなくて、とにかく必要なこと、いま目の前のことをすることで現実生活を膨らませていく。

とにかく現実行動を増やしていくことが、まず大事です。

治すことを諦めた時、治り始める

もう一つ、実際に書いている場面で震えないようにしても無理です。

先にお伝えしたような仕組みなので、どうしても震えてしまうんです。

対症療法はないです。

本当に皆さんは驚かれると思うのですが、本当に対処法はないんだと悟ったら書痙は軽減するんですよ。

本当に腹の底から書痙を治すことは無理だと思った瞬間、肩の力というか、諦めが訪れる。

100だった手の震えにかけるエネルギーが、95,90となるかもしれない。

そのエネルギーが減っていけばいくほど、震えに対する抵抗感が和らぎ、震えが和らいでいく。

したがってやはり、書痙で悩んでいる人というのは自分の空いている時間を全て書痙に費やしてしまっているので、そうではない現実生活を増やしていく。

実際に、私のところに相談に来られる人に何をするかというと、「震えてください」と言うんです。

「震えが足りません。もっと震えてください」と。

相談に来られた方は、「ここで震えるなんて嫌です。絶対に書きたくないです」などと言うのですが、とにかく「震えてください」ということで書いてもらうんです。

皆さん、やっぱり震えますよ。

けれども、ある方は、2時間くらいのセッションだったのですが、一瞬、震えなかったということが私とのやり取りで気づけたとき、それがすごく嬉しかったらしくて、その後の時間にひたすら自分の名前を嬉しそうに書きまくっていました。

そうすると、最初はミミズの字だったのですが、段々と普通の字に戻っていきました。

その上で、私が「もっと震えてください」と伝えていくと、段々と震えなくなっていきました。

何をしたかというと、悪循環の仕組みを破壊しただけなんですね。

だから、書痙の皆さん、どうか色んな現実生活の行動を増やしていってください。

そして、書痙の治し方の鉄板というのは、この世界のどこにもないと理解してください。

書痙を治すということを諦めたとき、書痙は治り始める。

この心理に如何に近づけるか、このことを意識していくと良いのではないでしょうか。

以上、ありがとうございました。

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