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重度の対人恐怖症のマージャン店時代

今日は対人恐怖症について語ります。

対人恐怖症は、ほぼあがり症と同じだと私は認識していますが、一つだけあがり症とは明らかに異なる点があります。

それが他害恐怖です。

ポイントは人に迷惑をかけているのではないか、人に害を与えているのではないかという視点です。

社交不安障害の場合、自分がどう見られるかという自分視点が大きいのですが、対人恐怖症の中には他者に迷惑をかけているのではないかという他者視点もあるのです。


本題に入ります。

私は以前マージャン店で働いていました。

いわゆる、ポン、チー、カン、ロンのゲームをお客さんとするんですね(あまりにざっくりとした説明)。

もう少し詳しく説明すると、マージャンは4人でするゲームなのですが、いつも仲間が4人集まるわけではないです。

それでもマージャンが好きな人は打ちたいと考えるわけですが、そういった時にマージャン店に一人で行くと店員さんが3人いて一緒に打ってくれるわけです。

そして、もう一人お客さんが来ると店員が一人抜けて、もう一人来ると更に店員が抜けていく、そんなシステムです。

そしてここでは幾ばくかのお金を賭けます。
賭けマージャンです。

店員も同じ条件でゲームするため、負けたら給料が減るシステムです。

実際、負けすぎて去っていく店員もいました。
というかそれが9割以上だったと思います。

日本では、一般庶民のたしなみ程度ならということで賭けマージャンは実質的に認められており、日本全国に何万店ものマージャン店があります。

たまに新聞紙上などでどこそこのマージャン店が摘発された、有名人が捕まったなどといった記事が出たりすることがありますが、そういった場合は高額のレートでやっていたりするようなケースなどで、ごく稀なことです。

私が働いていたお店はたしなみ程度とは言っても、やや高めのレートでゲーム代が高かったのと、高レートゆえにお客さんも強い方が多く、そのため負けて去っていく店員がほとんどだったのです。

それで私も店員としてお客さんとマージャンを毎日打っていたのですが、実はこの頃が私の対人恐怖症が一番ピークだった時代です。

とにかく毎日緊張していました。

お客さんと会話すること、お店の電話に出ること、そしてマージャンを打つこと。
することなすこと全てにおいて緊張していました。

ただ存在するだけで緊張しているような有様で、精神科にいくべき状態だったと思います。

そういった中、マージャンをお客さんと打つ際においては、とにかくお客さんに不快な思いをさせたくなかった。

ワイワイ楽しんだり熱心に打っているお客さんに不快な思いをさせたくない。

私が恐れたのは自分が緊張することによって場にピリピリした空気感を作り、楽しい雰囲気を壊してしまうのではないかということです。

対人恐怖症の他害恐怖独特の人に迷惑をかけたくないという視点です。

そこで取った私の行動は絶対なる抑圧です。
緊張している様子などおくびにも出さない作戦です。

緊張で手が震えそうになるのですが、強烈な意志を持って抑え込む。

呼吸が乱れそうになるのですが、そういう時は息を止める、深い呼吸をしない。

緊張で顔や声が変な風になりそうな時は、気合いで普通の表情にしたり声を発する。

こういった状態で緊張していないふりをして会話したり、ヘラヘラ笑ったりしてマージャンをしていました。

心の中では悲鳴を上げていました。

そして私はいつもお客さんの様子を窺っていました。

緊張感が移ったのではないか、このピリピリ感に息苦しさを感じていないか、つまらないのではないか。

そういったことだけに意識の全てを集中していました。

振り返ってみれば、私は他者の思惑の奴隷だったのです。


こんな状態だったのでマージャンのことに集中する余裕はほとんどありませんでした。

お金を賭けている以上、本来はそこを一生懸命やらないと生き残れないシステムです。

私は幸いなんとか生き残れるだけの結果は出せましたが、非常に不本意でした。

私は自分のマージャンの才能を確信しながらも、人の顔色ばかり見てそれをほとんど発揮できず、時として給料がほとんど残らないぐらい負けたりすることもあった。

そんな現状が悔しくて悔しくて悔しくて仕方がなかったのです。

私が今違う道に入り、ひたすらに前に進んでいるのもこの頃の悔しさがエネルギー源の一部になっているのかもしれません。

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