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我慢を強いるのではなく

外出の自粛が続く中で他人に自粛を強要するのをメディアやSNSでよく目にする。
外出を控えることはコロナの蔓延を防ぐために絶対に必要なので間違ってはいない。
間違ってはいないことだからこそもっと考える必要があるのではないか。

多くの専門家の人が指摘していがコロナの影響の長期化は確実だ。
例え外出制限が終わったとしても有効な薬やワクチンが開発されるまでは第2第3の流行を防ぐために三密の回避を避けられない。
ワクチンの開発には最低でも1年から1年半は掛かると考えられ、またそれを多くの人が接種することにも時間がかかる。

つまり今のままの外出を我慢したり強要する考え方ではどんな人でも精神的にも体力的にも限界がくることは明白だ。

だったらどうすればいいのだろう。
僕は4月11日にNHKスペシャルで放送されたクラスター対策班の西浦教授の「僕は研究者として少し先の未来がわかってしまう」という言葉が印象的だった。長年数理モデルを研究し、まさにこの危機に第一線で戦っている西浦教授にはこの先のさらに厳しい戦いが見えているのだと思う。
それゆえに西浦教授は「8割おじさん」として国民に行動の変容を「みんなで考えよう。頭の体操をしよう。」と訴えている。

教授の訴えは我慢の強要ではなく国民みんなの柔軟な適応力なのだ。
今、僕たちが求められるのは強い言葉で他人や自分自身に我慢を強いるのではなく、それぞれが自分に合った危機を乗り越えかたを考えることだ。
それには今までの考えかたのベクトルの変化や精神のありようの変化が必要だ。

飲み会はできなくなったがZoomを使い倒して人と会ってみる。
新作映画が公開されなくなった分、今まで見れなかった名作をこの機会に見てみる。
忙しくて、積みっぱなしになっていた気になっていた本を読んでみる。
経済活動も個人でできそうなこともまだまだある。

そして、いろいろ試してみて問題があればまた改善していく。
それが求められている「頭の体操」だと思う。

だからこそ、僕たちがいまやるべきことは窮屈で限界が分かりきっている「我慢」を強いることではなく、柔軟な「頭の体操」の共有し広めていくことこそがこの危機を乗り越えるためには必要だと思う。

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