マイナンバーカードでお買い物!マイナウォレット実証試験@山古志村レポート
先日10月13日(日)にa42x株式会社協力のもと、新潟県長岡市山古志村"やまこし復興交流館「おらたる」"交流スペースにて、地域住民の方、地域外住民であるデジタル村民の方、総勢30名余の方々と共にマイナンバーカードを使ったお買い物体験会を開催しました!
山古志地域とは
新潟県長岡市の山間部に位置する山古志地域は、かつて独立した山古志村として知られていました。2004年の新潟県中越地震で甚大な被害を受け、全村避難を余儀なくされた悲劇的な歴史を持ちながらも、その後の復興の歩みと住民の強い絆で注目を集めてきました。豊かな自然に囲まれた棚田の景観と錦鯉の養殖で有名なこの地域は、震災と平成の大合併を経て長岡市に編入されましたが、その独特の文化と精神は今も色濃く残っています。近年では、メタバース技術を活用した「仮想山古志村」やブロックチェーン技術を応用したデジタルアートプロジェクト「Nishikigoi NFT」等の取り組みにより、新たな形での地域振興と関係人口の拡大に挑戦しており、過疎化に直面する日本の農山村地域の未来を考える上で、注目すべき先進的な事例となっています。
山古志村デジタル村民
先述の「Nishikigoi NFT」は、伝統と革新が融合した地域活性化の新たな形を示す独創的な取り組みです。山古志の誇る特産品「錦鯉」をモチーフにしたデジタルアートをNFT化し、その購入者に「デジタル村民」の資格を与えるというものです。デジタル村民には「デジタル住民票」が発行され、村の重要事項を決める「総選挙」への参加権が付与されます。
ネオ山古志村
2024年2月11日に、山古志の共感者である地域外の山古志ファンと一緒に、山古志ファンクラブ「ネオ山古志村」が立ち上がりました。震災からの復興を超えて、過疎化や高齢化といった日本の地方が直面する課題に対する革新的な解決策として、ネオ山古志村は全国から注目されています。私はネオ山古志村を運営する世話人の1人として活動しています。
↓公式ウェブサイト(鋭意製作中です!)
マイナウォレット
a42x株式会社が開発中の「マイナウォレット」は、約9000万人が所持するマイナンバーカードをデジタルウォレットとして活用することで、複雑な操作や技術的知識を必要とせず誰もが簡単にweb3やブロックチェーン技術を利用できる環境を目指しています。マイナウォレットの最大の特徴は、その使いやすさにあります。マイナンバーカードをタッチするだけで、ウォレットの生成、デジタル資産の送受信、所有証明が可能となり、さらに公的個人認証サービス(JPKI)と連携することで、高度な本人確認機能も実現しています。「マイナウォレット」はEthereum Foundationの研究開発助成プログラムにも採択され、国際的にも注目を集めています。
お買い物体験会レポート
今回は小学生からご高齢の方まで、幅広い世代に実証試験にご参加いただきました。ネオ山古志村のリーダー竹内さんからイベントの概要説明、a42x株式会社エンジニアの新堂さんよりマイナウォレットの紹介があり、早速マイナンバーカードを使用した実証試験に移りました。流れは以下の通り。
マイナンバーカードと数字4桁の利用者証明用パスワードによってマイナウォレットを作成
お買い物体験用トークンをチャージ(今回は米ドル相当の価値を持つUSDCを採用)
コーヒー&アイスクリームをマイナンバーカードのタッチ決済でお買い物
最後に今回のイベント参加証明書(NFT)を参加者のマイナウォレットに送付
スマホのQRコード決済やタッチ決済の代わりにマイナンバーカード単体でタッチ決済ができる体験に参加者から「思ったより簡単」「これなら誰でもできる」などの感想をいただきました。
私は主に手順1.のマイナンバーカードからマイナウォレットを作成する操作のサポートを担当したのですが、自身がマイナンバーカード発行時に設定した"数字4桁の利用者証明用パスワード"を覚えているかが一番の難所で、そこさえ入力できてしまえば大半の方が受付アプリ操作により5分もかからずマイナウォレットを発行することができました。
体験会のダイジェストムービーはこちら↓
最後に
先述の「マイナンバーカードに紐づいたパスワードを覚えているか」といったマイナウォレット外の課題の他に、どのトークン(暗号資産)を使用するのか、日本円との紐付けはどのような仕組みで行うのか、今回はiPad上のアプリに実装したチャージや情報照会するプラットフォームをどのような形にするか、など本運用までに様々な課題が残されています。過疎化・高齢化など日本の地方が将来直面する課題を抱えた山古志地域でマイナウォレットが社会インフラとして革新を起こせればとてもインパクトの大きな事例であり、ここに山古志でトライアルを行う意義があります。マイナウォレット及びマイナペイタッチ決済は、今後も実用化を目指して、引き続き山古志地域で実証試験を行なってゆきます!
マイナウォレットに関する情報はこちら
Nishikigoi NFT公式サイトはこちら
伊藤穰一氏のYouTube番組「weekly gm」2024年10月25日の放送でプレゼンさせていただきました!
おまけ:山古志村滞在記
今回の実証試験の前後で、山古志村の自然と文化と食事を堪能しました。お買い物体験会午前の部(11:00-12:00)と午後の部(16:00-17:00)の間に観戦した闘牛大会では、牛たちと会場全体を熱気で包んだ人々からとてもエネルギーを貰いました。