見出し画像

ホニャラ北海道・桃岩旅!その4

9月7日 村上~青森


前夜遅かったのに、ふと6時前に目覚めてリビングに降りると、もうすでにケイ君がスタンバイ。ボドゲの相手を待っていたようだ。台所ではノリちゃんが朝ご飯のミニ弁当を作ってくれている。
朝っぱらから頭の体操をして疲れたところにみんなも起きて来て、出発。
7時33分酒田行きのディーゼルカーに乗り込んだ。
出発して暫くすると、笹川流れと呼ばれる景勝地。おにぎりとおかずが入った弁当を頂きながら景色を楽しむ。



今日の予定は青森までひたすら北上していく。途中、8月の集中豪雨の影響もあって、バス代行輸送区間を挟む。
酒田ではわずかな時間で秋田行きに乗り継ぎ。ここからは悪名高い?東北地方の主でもある701系オールロングシート車。景色を楽しむには不向きで、旅人には辛い車両だ。日本海の潮風にやられてか、だいぶ劣化した外観だ。

うたたねしたり、ちょっとパソコン作業をしつつ、気付けば秋田。しかし、まだまだ先は長い。
ここで食料調達。僕がチョイスしたのは、サケハラスかば焼き弁当だ。ここからもロングシート車で、なおかつそれなりに込んでいたこともあり、弁当を食べるのは大舘からの代行バスにしようか。
東能代に到着。
実は、正常通りのダイヤであれば、秋田から観光列車・リゾートしらかみに乗り、五能線経由で青森へ向かおうと思っていた。
しかし、8月の集中豪雨の影響で、日本海側の鉄道網は寸断。代行バスを使わざるをえない状況になり、五能線経由などは幻と化したのだ。
因みに僕は、学生時代の2005年にも東北地方を旅した際、五能線(リゾートしらかみ)に乗ろうと企てていたが、羽越線で発生した突風による脱線事故の影響で内陸部への迂回をした影響もあり、その際にも五能線は乗らずじまいだった。
ほとほと、五能線とは縁がないのかもしれない。


写真を撮ったりトイレタイムを取るなどして、代行バスへ。
するとなんてことだろう。1台しかない代行バスはかなりの混雑。補助席を使ったり、相席になったりしてようやく座れた。
まだ青春18きっぷシーズンだからか、乗り通すであろうお客も多いとみられる。
バスはゆっくりとしたペースで進む。途中、かなり細い道にも入っていったりと、中々運転士さんも大変だろう。


途中で降りる人もおり、なんとか瑛美ちゃんと並びの席を確保し、少し遅めのお昼ご飯。鮭ハラスのかば焼きはなかなか美味しく、これは家でも再現してみたいと思わせる味だ。


やはり代行バスは時間がかかり、疲れてきたところでようやく大舘に到着。鉄道であればスムーズに乗り継いでいくだけの駅だが、余計に時間がかかる分、接続は悪い。1時間ほどの待ち時間は町の散策に充てる。
東北地方と言えど、まだ暑い。東京からやってきた、アオガエル(東急初代5000系電車)が展示されている公園に行ってみると、どうやら昔は炭鉱鉄道が走っていた場所らしく、昔の様子のパネル展示や、土日には手漕ぎトロッコの運転体験もあるようだ。


昔は栄えていたのだろうか?廃墟となった雑居ビルが目に付く。その中にポツリと「御成座」の文字が。これも廃墟か?と思いきや、どうやら営業しているらしい。
見学のみなら入場無料との看板を見つけ、ちょっとドキドキしながら入る。
今日の公演はあるのか?と受付で聞いてみると、毎週水曜日はお休みなのだとか。今日はシネマホールは貸し切りなので、ロビーしか見ることが出来ないが…とのことなので、昭和レトロな雰囲気の館内を少し見学させてもらう。スタッフさんによると、2014年に10年近く閉鎖されていた映画館を復活させたのだそう。
物販もあり、リンゴジュースが売られていたので、応援の意味も込めて購入し、この後の車内で飲むことにする。

そうこうしていたら1時間ほどの待ち時間はあっという間に過ぎ、弘前行きに乗車。駅舎の改築中という事もあり、改札口からホームまで少し歩かされる。
このまま青森まで進んでも良いのだが、少し時間に余裕もあるので寄り道をすることに。
弘前駅から弘南鉄道に乗り換えて、黒石へ行ってみることにした。

弘南鉄道は僕は初乗車。ふじポンやアーミーは以前、乗ったことがあるようだ。
おんぼろの列車は非冷房。暑がりのふじポンは「マジか…」という内心が出た顔。
ガタゴトと走る列車。ふと車内の駅名表示を見ると、「田んぼアート」という名前の駅が目に付く。これは気になる!その後の予定からも、まだここで下車しても問題ないと判断し、駅到着1分前にみんなに、降りてみよう!と伝え、急遽の下車。

まさしく田んぼの中の無人駅。すぐ近くに公園とタワーらしきものが見えるので、どうやらここで田んぼアートをやっているのだろうと見当をつけて行ってみる。大きい荷物は駅の片隅に置かせてもらった。
しかし、残念ながらタワーは既に閉館時間を過ぎていて、登ることが出来ない。下から見ると、なんとなく絵が描いてあるのだろうとは思うが、よくわからず、上に登らないと楽しめないようだ。



悔しいので瑛美ちゃんを肩車して、少しでも視点を上にあげた写真をとると、おぼろげに絵がわかるようになった。
駅に戻り、黒石行の列車を待つ。
丁度正面には津軽富士とも呼ばれる岩木山に、夕日が沈んでいく様子が見える。
思いがけない途中下車だったが、なかなか楽しかった。

黒石からは、弘南バスに乗って浪岡まで出る予定だ。浪岡駅と、浪岡バス停の位置関係がイマイチわからないので、丁度止まっているバスの運ちゃんに聞いてみるも、「駅さ行ったことねえべや~」と、聞きづらい青森弁だが、それでも何とか教えてもらい、お次は街散策。
黒石といえば、黒石つゆ焼きそば。駅の近くにないか?と探してみるものの、調べていたお店は閉めており、断念か。アーミーがとても残念そう…。
なんかいい方法ないか?と考え、まずは駅員さんに、つゆ焼きそばを提供している店をリサーチ。すると、検索でもヒットしなかった店を教えてもらい、一筋の光が。続いて、青森で会う予定だった、サッくんにTEL!
「あの~、1時間後ぐらいに黒石まで迎えに来れたりする?」
「…訳は後から聞く。とりあえず出るから場所はメッセージで教えて!」
男前な即答!おかげでスープ焼きそばが食べられる!!!
みんなにそのことを伝えて、街中へ歩き出す。




スープ焼きそばは見た目ラーメン、味は焼きそば。麺はうどんに似たモチモチ感がミックスされた、ちょっと不思議なお味だった。
ちょうど食べ終えたころ、サッくんが到着。
彼は2年ほど前にホニャラに登場。ちょうどその時、仕事を退職してフリーの身になり、記念ツアーと称して全国のゲストハウスを廻る旅を企画し、その第1宿目にホニャラノイエを選んでくれたのだ。


今回、親の介護の関係で実家の青森に帰っているとのことなので、ちょうど予定があったこともあり、彼と会うことにしたのだ。
ふじポンやアーミーは初対面。シュールさが少し弱まったサッくんの外見だが、独特のキャラは健在。
「シュフラヤタクシー」(宇宙人⇒変人 が行きたいところへどこでも走りますという、サッくんの活動)にまつわるとんでもない話で車中が盛り上がる。
彼の考え方や、思想は一歩尖っているものの真理を突いているような気もする。そんな空気感に、ふじポンは「今まで会ったことがないタイプの人ですね…」と、驚いていた。

今夜の夜ご飯は、サッくんの同級生がやっているという小さな焼鳥屋さんへ。
多分、教えてもらわなければなかなか行くこともないだろう、知る人ぞ知る雰囲気のお店だ。秘伝のタレだという焼き鳥はめっちゃ旨い!
近く・・・というより、我々の席に巻き込む形になった常連さんのオッちゃんともお話ししつつ、青森の夜が更けていく。

今夜のフェリー出航は2時。まだまだ時間があるので、青森駅近くの温泉銭湯で今日の疲れを癒す。結構大きな施設で、休憩室には大量の漫画まで!これは沈没してしまうヤツではないか。因みに、サッくんによると、青森市内の銭湯は、温泉を引いているところが多いのだそう。なんと幸せなことか。

深夜0時もまわり、いよいよ青森港FTへ。これで本州からも暫くお別れだ。
サッくん、いろいろありがとう!と、ちょっとばかりのお土産を渡すと、わざわざ丁寧に頂いてくれた。


船内に乗り込み、いよいよ出航。僕はこの航路に何度かお世話になっている。3000円ほどで鉄道だと不便な青森~函館を移動させてくれるので、特に節約旅行するならば利用しない手はない。
雑魚寝のカーペットの一区画を我々ホニャラ一行で占めることにも成功し、束の間の就寝だ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?