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大型二種合宿免許の記録(前編)

【大型二種免許取得前の下ごしらえ】

最初に大型合宿免許を取得しようとした際、僕が所持していた免許は「準中型(5t限定・AT限定)」だった。このままの状態でも合宿に参加できるのか?調べてみると、どうしてもAT限定は解除していることが条件の場合が多いようだ。

そのため、まずはAT限定の解除から!なんとかなるっしょ!と、知り合いに私有地内で少しだけ軽トラを使って練習させてもらい、試験場での一発解除に挑戦。
しかし結果は散々なものだった。試験云々の前にそもそもエンストばかりで、開始早々に試験中止となったのだ。軽トラと、普通車の感覚の違いもあったが、明らかに練習不足。
しかし、同時に有益な情報も。
5t限定も同時に解除できるようで、解除のための費用は特に変わらない。
試験場と同じコースを使って、スポット教習を行ってくれる教習所でも、MT普通車と、準中型限定解除の教習料金には差がないことが判明。
しかも、5t限定を解除しておけば、大型合宿免許の費用も多少、抑えることが出来るのだ。

これはやるしかない!と思い、何度かスポット教習を受けて、無事にAT限定&5t限定を纏めて解除することが出来た。
岐阜県の場合、試験場の近くに非公認自動車教習所の福富自動車学校というところがあり、試験場とほぼ同じレイアウトのコースで、試験コースを想定した教習走行がスポット教習で行うことが出来る。
準中型(AT限定・5t限定)から、準中型免許 へと解除するために、通常、指定教習所に入っての取得の場合、10万程度かかる所だ。
しかし、スポット教習を使い、4800円の教習を6回ほど受けた。また、試験には4回目で合格したため、3000円程×4
トータルで、4万少々で限定解除に成功した。
勿論人にもよるし、都道府県や住んでいる場所によっては、何度も試験場に通うのは効率的ではない場合もあるので、手段の一つとして考えてみて欲しい。通常の自動車学校と違い、上記のような対応がある自動車学校は、数少ないと思われる。
僕の場合は試験場や、福富自動車学校へは車で30分ほどと、悪くないアクセスだったため、この手段を取ることが出来た。

無事に取得した後も、知人の手伝いなどで、なるべく軽トラを中心に、MT車を乗るようにした。MT車の感覚を少しでも維持したかったこともある。実際、これが功を奏した。というのも、最初の入校時に言われたのが、13日間という間に取得するために、原則として、ミッション車には充分乗れるという想定でカリキュラムが組んであるそうだ。発進やシフトチェンジなどのMT車の操作に関しては、勿論アドバイスはしてくれるものの、それに関しての時間は取られていないので、教習時限通りに終わりたいなら、ある程度はMTの運転操作に慣れておくことは有効だ。

【教習・場内編】
山形・県南自動車学校に到着。早速ガイダンスが始まるが、一日目から、いきなりハード?なスケジュールだ。スケジュールを見ると、初日からミッチリと詰め込まれている。
机上教育から始まり、その後さっそく場内教習。

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冬の山形ということで、路面の凍結や積雪は?という心配もあったが、教習所内のコースに関しては、ほぼその心配は皆無。基本的にスプリンクラーで盛大に水を撒いており、路面に雪が積もることはほぼない。
ただ、風雪などによってポールなどに着雪していたりすると、距離感覚が狂いやすい。
教習に支障があるとすると。そこを気を付けるというところか。
人が通る所の除雪作業があるようで、それは教官たちで持ち回りのよう。とある先生は、なんか俺の当番の日に限って大雪が降るからくったくただよ~と、愚痴っていた。大変だな・・・
話を聞くと、大雪で教習がストップ…ということは滅多にないらしく、その点は安心していいそうだ。

二種免許ということもあり、教習はバス車体で。自分の身体より後ろにタイヤがあるというのは独特の運転感覚。教官によると、元々大型車免許を持っていて、トラックを運転している人であっても、バスの運転感覚には苦戦する人もいるらしい。
発進時の安全確認も、乗用車やトラックとは異なる。
右ヨシ・左ヨシ・後方・車内ヨシ。と、車内にお客さんが乗っていることを想定して、車内の目視確認も。
また、後部に発生するオーバーハングも要注意。右左折や進路変更の際は、振りだし確認も基本動作の中に含まれる。慣れないうちは大型車ならではの確認動作の多さに戸惑うことだろう。

ただ、後半になってくると板についてきて、むしろ帰ってから普通車を運転する際にもふと気づくとスッと振りだし確認をしていたりするから慣れというのは面白いものだ。

大型車の宿命?として、教習所内で普通車が溢れかえっているところに大型車が入っていくと、なかなか遅々として前に進むことが出来ない。丁度大学生が取得するシーズンの為か、場内が渋滞状態になることもよくあった。

対して机上教育は、基本的に普通免許を取得するときに勉強する内容も大いに含まれる。大型だからというよりも、二種免許ということで、もう一度基礎の基礎からのカリキュラムが組まれているようだ。
しかも、同じ時期に入る人がいなかったためか、収支マンツーマン。フレンドリーな教官さんとは雑談も挟みつつ、そんなに難しい内容ではなかった。
見極めテストなどは、合宿期間中には無く、自分の都道府県に帰ってからの免許取得時に学科試験があるのみだ。


場内の教習で特に苦戦したのは、鋭角路と後方感覚。そして、縦列駐車だ。
鋭角は、逆V字になっているコースを通る、大型車特有のコース。運転台は完全にはみ出た部分での操作は最初は慣れなく苦戦。
後方感覚も、後ろを目視しながらソロソロ近づくのだが、ピッタリだ!と思っても、かなり手前だったり…。目標物を他に決めて、そちらを見ながら停止位置を合わせることで攻略できた。

【教習・路上編】

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仮免許を取得して、いよいよ路上教習。
順調に仮免許を取得すれば、その日の午後には、机上教育を経て、直ぐに路上に出ることになる。
路上教習1限目はまだ薄暗い程度だったが、残り2限は夜。しかもタイミング悪く大雪の日。視界も悪くて制限速度まで出すのも怖いほど。先生も苦笑するほど、悪条件の中だった。
救いはやはり大型車であるので、普通車に比べると雪道の安定感は強い。
アクセルワークやハンドリング・ブレーキ操作を優しく余裕持っていけば、スリップすることは余程ないと思う。

怖いのは、やはり雪の壁によって道幅が狭くなっていること。場合によっては1・5車線程度の幅しかなかったりして、対向車との行き違いはより慎重に行かなければならない。
2車線が確保されていても、反対車線の路面が凍結していたりすると、飛ばしてくる車ががっつりこちら側の車線にはみ出てくることもしばしば。
逆に雪がなければ、その分道幅は雪をためる部分を見積もって、通常の都市よりもある程度余裕を持っているように見られるので、市街地であってももっと楽に運転できるだろう。

余裕が出てくると、周りの景色も楽しめるようになるかもしれない。
僕は、交差点を曲がる際、ふっと走った影に注目すると、まさかの狸。思わず教官に「タヌキだ!」と伝え、本当だ~!と、盛り上がったこともあった。

最終試験は路上試験と、場内のコースで、鋭角路の通過と縦列駐車。
鋭角路は切り返しは3回まで認められるので、前後輪の脱輪には注意しつつクリアしよう。
路上で苦戦したのは、中扉を停止位置に合わせる調整。標識などをバス停に見立てて中扉に合わせて停車するのだが、これが積雪がある時はかなり難しい。
ギリギリまで雪壁に幅寄せしても、バス車体と標識までの距離が開き、感覚が掴みづらい。結局本番は、試験終了後に試験管に聞いてみると、「全部しっかりズレていたよ~」と言われ冷や汗をかいたが、無事に合格することが出来て胸をなでおろした。

【筆記試験】
後日談にはなるが、筆記試験について。
申し込む前は、筆記試験まで全て、合宿先で済ませるものだと思っていたが、実際はそうではない。合格証を持っていき、各自、住民票がある都道府県で筆記試験に臨む必要がある。
大型二種の合格点は90点。マークシートの選択式ではあるが、中々高いハードルだ。
模擬問題を教習所で販売してくれるので、それをしっかり予習しておいたほうが良い。
楽勝でしょ!?と思い、模擬問題を解いてみたら、案外難しく、合格点に届かなかったので、気合を入れて1週間ほど勉強した成果もあり、難なく合格することが出来た。
勿論再受験も出来るのだが、合格証にも有効期限(1年)があり、受けるたびに手数料を巻き上げられるので、一発で合格するに越したことはない。


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