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がらくた入れ

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まだ空想段階みたいなお話を入れたりします。 他にもいろいろ入れます。
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記事一覧

ブリックリーブス(ショートショート)

 色鮮やかなレンガが茂る木がある。  名前をブリックリーブスという。夏の間は緑色の葉が茂…

たけなが
17時間前
6

給水塔(ショートショート)

 子どもの頃、近所に給水塔があった。  当時でもかなり古びた印象がある、レンガ造りの塔だ…

たけなが
1日前
5

ブルーゴースト(ショートショート)

 石畳の道を進んでいく。どこかの庭から伸びてきたと思われる蔓が自由に葉を広げ、街全体を守…

たけなが
3日前
5

冬(雑記)

 マグカップの中の粉末として残ったままのカフェラテをかき混ぜる。  スプーンの擦れる固い…

たけなが
4日前
2

本の中(雑記)

 本の中にはもう一人の私がいた。  あるいは全く別の誰かの人生があった。  本という形態の…

たけなが
5日前
2

七味唐花火(ショートショート)

 とても綺麗な七色に発色をする花火。火花を散らす品種の、火花唐辛子という野菜を使用してい…

たけなが
6日前
5

ワゴムツドイタケ(ショートショート)

 輪ゴムをぐるくるとまとめたような形をした傘を持つキノコがある。名前はワゴムツドイタケ。  漢字も使って書くと、輪ゴム集い茸。元も子もない言い方をすれば、見た目のまんまの名前をしている訳だ。  このワゴムツドイダケ、胞子のまき方が変わっていて、傘の部分が弾け飛ぶのだ。  まるでゴム鉄砲のように胞子を飛ばす。  その時の見た目から、一部の地域ではゴム鉄砲ダケと呼ばれたりもしている。  食べられなくはないらしいが、食感や風味がそのまんまゴムのようで、あまり好んで食べる人はいない。

カシヅツミシジミ(ショートショート)

 街中を歩いていると、道路の端っこにお菓子の包み紙が転がっているのが見えた。  一体誰が…

たけなが
9日前
3

スカイクラッシュ(ショートショート)

 何やら近場で、ガラスのようなものを砕く音がする。  穏やかでないな、と思いながら音の出…

たけなが
10日前
4

ラテガイ(ショートショート)

 砂浜に塩をまくと、砂浜の中から飛び出してくる貝がいる。  その名前はマテガイという。  …

たけなが
11日前
8

上腕二頭芋(ショートショート)

 秋になると、さつまいもがおいしい季節になる。  そんなさつまいもの品種の中に、変わり種…

たけなが
13日前
5

ネジタケ(ショートショート)

 各地のスクラップ置き場に生えてくるキノコがあるらしく、その名前をネジタケという。  ス…

たけなが
2週間前
2

街灯もやし(ショートショート)

 新しい街灯が近くで作られるらしい。  その辺りを囲うように、真っ黒で大きなテントが立て…

たけなが
2週間前
7

イトスギ(ショートショート)

 彼は心の中にイトスギを植えている。  私にはその姿が見えるのだ。これは本人も知らず、他の誰も知らない、私だけに見えている現実の世界の話だ。  彼は、人と接する時、そのイトスギを大きく生長させる。  少し前に図書室で調べたとき、イトスギは防風林として使われるのだと知った。  きっと彼は、自らの心を守るために、イトスギを大きくするのだろう。自らの心を周囲の強風から守るために。  私にもそうしたくなる気持ちは分からなくない。  けれど、時々それが大きくなりすぎて、時々通学路の交