夕焼けとシリンダー(雑記)
アイスクリームを削る感触が、スプーンを通して伝わってくる。ほとんど溶けかかっている部分と、まだしっかりと形を保っている部分。
ほんの少しスプーンを抜き取ると、街の夕焼けがその表面に反射する。開けたカーテンの先の、今にも溶けて消えてしまいそうに揺れる夕焼けのオレンジ色。
スプーンの表面と、窓の向こうから感じるその気配に、この夕焼けも美味しそうだな、と思う。実際に食べてみたらどんな味がするんだろう。
ゆっくりとスプーンを持ち上げ、ふちの溶けたアイスクリームを口に含む。クリ