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物語をゲームに落としこむことなど……

 この35年間、物語系のコンテンツの、メディアからメディアへの移し替えに関わる仕事を、いくつかしてきた。
 たとえばノベライズは、ゲームやアニメなどを、小説化すること。
 TRPGのリプレイも、少しそれに近いが、プラスとしてシステムの再現が必要不可避である。
 電子ゲームをゲームブックにすることもある。
 コンピュータゲームをコンシューマゲームに移植する際には、追加シナリオを書くこともある。
 アニメを電子ゲームにしたこともある。
 CDドラマとかのシナリオも書いたっけな。

 電源か非電源かを問わず、物語のメディア変換を成功させるには、いくつかのコツがある。
 成功とは、読後に心に残る何かを与え、感動や余韻を残すことである。
 ポイントは、移し替える前と後のメディアの特性の違いをよく理解すること。

 その手の仕事で、ぼくが主にかかわった題材は次のとおり:

●電子ゲームからゲームブック
未来神話ジャーヴァス
ディープダンジョンIII
ドラゴンクエストⅡ
カイの冒険

●TRPGリプレイ
トーキョーN◎VA
キング・アーサー・ペンドラゴン

●アニメから電子ゲーム
まほろまてぃっくまほろまてぃっく☆あどべんちゃー
新世紀エヴァンゲリオン碇シンジ育成計画

●人気ゲームの続編や追加シナリオ
メモリーズ・オフ After Rain
メモリーズ・オフ それからAgain
プリズムアーク Awake

●ノヴェライズ
神秘の世界エルハザード(Ⅱ含む)
太陽の船ソル・ビアンカ
ドラゴンクエストⅣ(モンスター物語)
風来のシレン

 つい先ごろまで、ぼくはこれらの仕事について、本当にこれでよかったのかどうか、いまいち自信がなかった。というのも出版から今まで、読者の声が、ほとんどぼくのところまで届いていなかったからである。
 ところが意を決してツイッターのエゴサーチをしたところ、思いのほか多くの読者にめぐりあい、お褒めの言葉を目にした。自分が苦労した設定や、腐心したギミックなどの全てに対して、それがよかったとの言及を見つけた。涙が出るほど嬉しかったし、ちゃんと仕事をしてきてよかったと、やっと腑に落ちた。本当に現代社会さまさま、ツイッターさまさまである。

 そんなわけで、これらの仕事で気を付けた点とか苦労した点について、自信をもって書いていこうと思う。今後の読者諸氏の活動に、活かしていただければ幸いである。

 なお、ぼくの素性や、物語構造の理解や構築に関しては動画があるので、そちらを参考にされたい:

 関わった電子系ゲームなどの動画はこちら

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