見出し画像

鬼札~めくりの"ジョーカー"について~


 10月は海外出張があって新規の記事を書くことができなかった。謹んでお詫びしたい。過去に同人誌で出した「鬼札/ジョーカー」に関する記事を、ここに再録するのでお許し願いたい。

 ちなみにプレイングカード(いわゆるトランプ)で、他のどの札の代わりにもなる札をジョーカー、もしくはワイルド・カードと呼ぶが、それがいつごろから採用されたのかは、なかなかはっきりしない。

 明確に札として証拠が残っているのは、実は日本の「すんくんかるた」が最も古く、1703~10 年頃に成立していた。6スート×16ランク=96枚に、+「天下/テンカ」が1枚で、1デッキ97枚だった。

 これの元になったのが「うんすんかるた」で、こちらは5スート×15ランク=75枚。

 その元になったのが「天正かるた」で、ポルトガルから入った4スート×12ランク=48枚のプレイング・カードと同じ校正である。現在我々が主に使っているプレイング・カードは4スート×13ランク=52枚だが、それより1ランク少ないだけである。

 天正カルタは、江戸時代には「めくり札」と呼ばれるようなり、そこでワイルド・カードとして付加された札は「鬼札」「化札」「白札」など呼ばれていた。

 では、日本における鬼札のバラエティを、順に見ていこう。

--------------

ここから先は

16,503字 / 28画像
7人以上のライターが月に1本以上、書いています。是非、チェックしてください。

アナログゲームマガジン

¥500 / 月 初月無料

あなたの世界を広げる『アナログゲームマガジン』は月額500円(初月無料)のサブスクリプション型ウェブマガジンです。 ボードゲーム、マーダー…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?