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オンライン/オフライン授業について

0.はじめに

この記事はAECandRelatedTechAdventCalend2020 の5日目の記事です。

1.自己紹介

初めまして普段はとあるゼネコンでBIM推進(主に社内BIM環境の構築)を
しながら副業でHAB Inc.と言う会社をやっています、
その中で今年の4月から日本工学院専門学校の建築学科にて
非常勤講師としてBIMの授業を受け持っています。
教えているのは3年生、4年生と合わせて約100名。
今回はコロナ禍での授業の取り組みや感想について書いていきますので
実際にオンライン授業に取り込んでいる学校関係者の方々の一助になれば幸いです。

2.授業内容

BIMを通して建築を知って、好きになってもらえる様に
広く浅く、掘り進めながら授業を行ってます。
授業概要としては以下3つ
①Revitの概要から基本操作と各自設計課題でRevitを使えるまで
②Revit以外の周辺ソフトの基本操作等
③Revitデータを利用したAR/VR等

a.授業環境
オンライン(Zoomで受ける生徒)と
オフライン(学校に来て教室で受ける生徒)の同時授業
授業動画の配信
授業が月曜日なので課題は週末までに提出
最悪、授業を受けていなくてもアーカイブ視聴によるオンデマンド授業もOK

3.オンライン/オフライン授業のメリット・デメリット

オンライン授業
-メリット
 登校せずに自宅から授業受けられる
 Zoomの画面共有での視聴なのでタイムラグがない
 質問も全てZoomの画面共有を使うので生徒全員で質問の内容が共有できる
 また、質問の内容も実際の画面を写しての質問が可能
 対面に比べて質問の頻度が多く 提出課題を見るとオンライン組の方が
 理解が進んだ生徒が多かった

-デメリット
 自宅にRevit環境・ネット環境が必要になる
 オンラインやネットに対して最低限のリテラシー
 自分でセットアップをする知識が必要

オフライン授業
-メリット
自宅にRevit環境がない生徒でも授業が受けられる
質問があると教員に直接その場で聞ける

-デメリット
配信だと実際の作業とタイムラグがあるので質問のタイミングがずれる
個別の質問対応になるので教員が同じ質問に答える事がある
登校する必要(感染のリスク)がある
結果としては登校組の方が生徒の質問対応や配信のタイムラグ等の対応に手を取られて
進行が遅れていた

4.実際の取り組み

以上の事からオンラインとオフラインの生徒で
進捗にかなり差が出てしまったので途中から
オンライン/オフラインの同時授業に切り替えました。
実際には学校でZoomを繋ぎながら授業をして、
オンライン組の質問は今まで通り回答すると同時に
オフライン組には教室の中を歩き回って回答する事で
出来るだけ両者の足並みを揃え、進捗を調整する事で
前期後半にはオンライン/オフラインで学習の差は無くなりました
(但し教える側の負担は増えます…笑)
あとは環境を揃える為に毎回授業用テンプレートデータを配布する
課題の管理はGoogleClassroomを使用
Classroomについては学校で導入していたお陰で
課題の管理以外にも授業時間外の質疑に答えたりとかなり助かりました

前期授業内容
3年生、4年生共にRevitの基本操作と応用
基本操作については学校指定の参考書があったのでそちらをベースに進めて
一部、補足や課題でも使える様にとTwinmotionやAR/VRも利用しました

後期授業
3年生…学校の図面(竣工図)をお借りして実際の図面を読みながら
    構造モデルと意匠モデルの作成
4年生…過去の学生の設計課題をRevitでモデル化
   後半は卒業設計期間に入るので今は自由に登校
   質問があればその場で答えたり卒業設計について相談にのっています

5.感想

前期はオンラインに試行錯誤したりオンライン/オフライン同時に
以降したりとバタバタとしましたが後期になってようやく
落ち着いて授業が出来る様になりました。
学生の内に実際の図面に触れる機会はとても貴重で
普段、自分達が使っている校舎がそのまま教材になっているので
学校の先生や学生のリアクションは良いです。
また、前期にから授業の難易度を少しずつ上げているのもあって
前期に比べて後期はかなり学校で授業を受ける生徒が増えています…密ェ…

6.今後の目標

①学校の校舎(全6棟)のモデル作成
 今期では1棟の内、1/3が終わりそうなので
 このままいけば2-3年後には完成しそうです
②生徒が実際に設計課題でRevitを使える様にする
 全体の1割程度ですが設計課題でRevitを使う生徒が増えてきているので
 3割くらいを目標に頑張ります。

また、最近は生徒が作成したRevitモデルの買い取りも始めました
実際にはRevitで作成したデータ限定になりすが0-50000円の範囲内で
今後の教材や検証に使えればと考えています。

最後になりますが私自身、建築業界でBIMを扱う仕事を
していますが、数年前に比べて『BIM』の認知度はかなり
上がっていますが扱える人材がまだまだ少ないのが現状です。
非常勤講師と言う役割を通して若い世代からBIM人材を増やして
『BIMの民主化』の後押しが出来ればと思います。

他に授業に関する取り組みや質問などあれば
Twitterで気軽にお尋ねください!(^O^)
ありがとうございました!!

Twitter:Takeru_Y@HAB