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映画エンドロール後に待ち受ける大喜利。

映画は映画館でこそ。そう思う。

事前にチケットを購入し、映画館へ向かう。ポップコーンとコーラがこぼれないように恐る恐る席に着く。トイレも行って観る体勢のベストポジションを探る(猫が寝床をふみふみするように)。これで準備は万端。

そうやって大凡2時間の映画を観るためにぼちぼちな準備をすることが1つ映画館で映画を観る醍醐味だと思う。家でNetflixなどを観るときはここまでしない。だからこそ「続きは明日でいっか」「あ、見逃した。巻き戻し」みたいなことが家だと起こってしまう。1つの作品と2時間の真っ向勝負をするためにはやはり映画館がベストだ。

そして鑑賞完了。期待や緊張が落ち着き、その作品を観た感想を自分なりに整理し噛み締める。映画を観終わった後はしばらくその世界、その余韻に浸っていたい。

だが、ここで1つ問題が生じる。

映画が終わり劇場が明るくなると様々な感想が劇場内に交差する。「良かったね~」「あの主人公ってさー」「もうちょっとあそこって、」みたいな。なんだろう、僕は映画の感想の共有がとても苦手だ。映画が終わったらすぐさまヘッドホンで耳を覆い映画を観終わった今の気分に合う曲を聴きながら自分の世界に潜り込んでしまう。すぐには見ず知らずの他人の感想はできるだけ耳に入れたくない(例えるなら一生懸命作った手料理にいきなりソースとかマヨネーズをかけられる感覚に近いのか?)。「勘弁してくれェー」と思ってしまう。

映画をよく一緒に観にいく映画友達がいるが、思い返せばその友達とも映画を観終わった後は感想は言い合ったりほとんどしない。一緒には行くが、一緒には観てないとでも言おうか。

感想を語り合うまでにしばらく時間が欲しい。自分なりにその作品を咀嚼して飲み込む。そして身体に馴染んでいって自分の経験となりようやく感想として「俺はこう思ったんだよね〜」と語りたい。観終わってすぐさまの感想共有は僕には爆笑大喜利を求められているように感じる。申し訳ないがそこまでの瞬発力は兼ね備えていない。

上のキャラ達に『映画館を出るまで無言でお願いいたします』と、映画が始まる前に言って貰えれば解決するがそんなの無理な話で。おそらくこれからもエンドロールが終わり、劇場が明るくなるとヘッドホンを装着しそそくさと映画館を後にすることだろう。

僕もできることなら一本グランプリでのバカリズムのような瞬発力で映画の感想も共有したい。

「この映画、どんな映画?」
『この映画は◯◯だ!』
「IPPONっ!」

かの如く、、、

到底無理だ。

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