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「あたうる限り」?

「できる限り」という意味のやや古めかしい言い方ですが、文法の観点からいえば、「あたう限り」が正解です。

「能(あた)う」は、文語「能ふ」をそのまま現代仮名遣いに変えたものです。「能ふ」はハ行四段活用の動詞で、次のように活用します(語法上の理由から、連用形、已然形及び命令形はほとんど用いられません)。

能は(未然形)・(能ひ(連用形))・能ふ(終止形)・能ふ(連体形)・(能へ(已然形))・(能へ(命令形))

「限り」は体言(名詞)ですから、連体形を前に繫げて「能ふ限り」となるわけです。

[アタウカギリ]と読む場合もあれば、ウ音便化して[アトーカギリ]と読む場合もあります。

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