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セイテンの霹靂

「青天」も「晴天」も晴れ渡った空という意味ですが、出典となる陸游(りくゆう)の詩には「青天」と書かれています。

四日夜鷄未鳴起作(陸游)
放翁病過秋、忽起作醉墨。
正如久蟄龍、青天飛霹靂。
雖云墮怪奇、要勝常憫默。
一朝此翁死、千金求不得。

四日夜、鷄未だ鳴かざるに起きて作る
放翁(はうをう)病みて秋を過ぎ、忽(たちま)ち起きて醉墨(すいぼく)を作(な)す。
正(まさ)に久蟄(きふちつ)の龍の如く、青天に霹靂(へきれき)を飛ばす。
怪奇に墮(だ)すと云ふと雖(いへど)も、要は常の憫默(びんもく)に勝(た)えたり。
一朝(いってう)此(こ)の翁(をう)死すれば、千金求むるも得ず。

(私は病床にあって秋を過ごしていたが、あるときふと起き上がって、ふらつきながら筆を執った。
筆の勢いは、まるで長い間こもっていた龍が飛び出し、晴れた日にいかずちを鳴らせるかのようであった。
書いた詩は奇妙なものだと思われるかもしれないが、今までのように沈み悲しんだままではいられない。
この老人が死んだ後は、大金を積まれたところで、もはや何も書くことはできないのだから)

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