「シーア(شيعة)」とは「分派」を意味するアラビア語で、元来「アリー派(شِيعَة عَلِيّ、シーヤトゥ・アリー)」と呼ばれていたのが縮約された語です。従って、「シーア」の後ろに「派」を付けるのは二重表現で、昨日お話しした重言の一つです。
しかし、イスラム教の宗派を「……派」と呼ぶのが日本語での慣例となっています。今回の場合は、「シーア」の後ろに敢えて「派」を付けることで、「スンナ派」「イバード派」などと同位概念であることを明示していると考えられます。したがって、「シーア派」は重複表現ではありますが、斥ける必要はないでしょう。