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ゼロかレイか

数字の「0」は何と読むでしょうか。

「交通事故死ゼロ」「海抜ゼロメートル地帯」のように、特定のフレーズでゼロと読む場合もありますが、基本はレイ(零)です。理由は至って単純で、レイ(零)は日本語の漢字読み、ゼロ(zero)は英語だからです。

天気予報の降水確率で「0%」をゼロパーセントではなくレイパーセントと読むのは、四捨五入で切り捨てられた0以上5パーセント未満の値を「わずかな」を意味する「零(れい)」で表現しているからだ、という説をテレビやウェブ上で見かけますが、それだと四捨五入で切り上げた場合に、5以上15未満の幅のある値を「10%」というピンポイントの数字で表していることの説明がつきません。実際のところ、読みの使い分けで降水確率の異なる意味づけをしているという明確な典拠はありません。

「零細」のように、「零」にわずかなという意味があるのは確かですが、同じく「零」には数詞としての0の意味もきちんとあります。レイとゼロは単に言語が違うだけで、両者に本質的な差はないものと考えるべきでしょう。

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