「似かよるところがある」?
「似かよる」ではなく、「似かよう(似通う)」。
ワ行五段活用で、
似通-わ・お(未然形)/い(連用形)/う(終止形)/う(連体形)/え(仮定形)/え(命令形)
と変化するからです。
文語(「似通ふ」)ではハ行四段活用となり、
似通-は(未然形)/ひ(連用形)/ふ(終止形)/ふ(連体形)/へ(已然形)/へ(命令形)
ですが、連用形「似通ひ」に接続助詞「て」が続くと、
似通って(<似通ひて)
と、連用形の活用語尾「ひ」が「っ」に変わることが多々あります。口語では、これに加え、助動詞「た」が続くときも同様に、「似通った」の形をとります。連用形の[イ]段が[ッ]に変化するこの現象を促音便といいます。
日常では「似かよっている」「似かよった」などの形が多用されている一方で、終止形や連体形があまり思い出されないのが、「似かよる」という誤用を生む背景だと思われます。
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