見出し画像

小日向──ワンルーム・マンションは迷惑施設?

玉城武生

皇居の北側に位置し、池袋に程近い文京区の小日向こびなたは、かつては武家屋敷があり、名だたる文人たちも居を構えていた、都内でも有数の高級住宅地である。貧困や劣悪な住環境とはおよそ無縁の土地柄だが、目下あるトラブルが発生している。地域内にある新渡戸稲造の旧居跡に、ワンルーム・マンションが建設されているというのである。一体何が問題なのか。

文人ゆかりの高級住宅地

武蔵野台地の東端に位置する文京区。区内には関口台地、小日向こびなた台地、小石川台地、白山台地、本郷台地の5つの台地があり、海抜20メートルを超えるこれらの高台には、明暦の大火(1657年)以降多くの武家屋敷や神社仏閣が置かれるようになった。明治以降は、武家屋敷の広大な敷地が東京大学を筆頭とする各教育施設へ転用され、爾来じらい学問の街として発展してきた。それに伴い、森鷗外、夏目漱石、樋口一葉、坪内逍遙、石川啄木など、多くの文人たちがこの地に住むようになった。

小日向もその東の小石川と合わせて、拓殖大学や跡見学園などのほか、お茶の水女子大学、筑波大学やその附属学校を抱えるなど、教育機関の集積する文教地区となっている。

この続きをみるには

この続き: 4,212文字 / 画像11枚 / ファイル2個

小日向──ワンルーム・マンションは迷惑施設?

玉城武生

300円

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
玉城武生

皆様からの尊いご寄付は、今後の執筆活動に活用させていただきます。なにとぞご支援を賜りますようお願い申し上げます。

玉城武生
ブログ『随想録』https://ja.takeotamashiro.comの著者、玉城武生の「note」です。言語や哲学、社会性のあるテーマに関する記事を執筆しています。