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「話の『さわり』だけ聞かせる」

「触る」という語から「表面的」というイメージを連想させるからでしょうか、2007年度の「国語に関する世論調査」では、約半数の人が「さわり」の意味を「話などの最初の部分のこと」と回答しました。

「さわり」の正しい意味は、「一番の聞かせどころ」です。浄瑠璃の一種目である義太夫節(ぎだゆうぶし)に由来する語で、それまで曲節のなかった台本の台詞の部分に他種目の旋律様式を取り入れた部分を指します。他流の節にさわっていることから「サワリ」と呼ばれるようになり、目立たせるために付けられたその旋律が美しいことから、曲中の聞きどころを意味するようになったのです。

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