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『随想録』から

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#ポリアーキー

日本においてデモクラシーはいかに成立したか

ロバート・ダールは『ポリアーキー』で、自由化と政治参加という2つの次元を用いて、デモクラシー確立までの過程を測る指標を提供した。その正否を握るのは寛容のコンセンサスである。明治維新、藩閥政治、自由民権運動、大正デモクラシー、軍部の擡頭、そして戦後……。日本の政治が民主化に至るまでの道程を追う。 記事はこちら

『ポリアーキー』から読み解く民主化の要件

韓国では、どういうわけか歴代の大統領が非業の末路を辿るという。今のところ前任の文在寅は健在だが、同国では党派の対立が未だ尖鋭的なものであることだけは確かである。 ロバート・ダールは、民主化が進展するにはまず反対勢力に対する相互安全保障が確立されている必要があると論じた。というのも、利害関係者の数が増えれば増えるほど、それだけ衝突の危険性も増すからである。その際に、党派間で寛容のコンセンサスがどれだけ共有されているかで、抑圧の蓋然性が左右される。このコンセンサスの醸成は一朝一