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編輯長殿

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『日本経済新聞』『ファイナンシャル・タイムズ』など、日経メディア記事関連の投書。日本経済新聞社のオピニオンマガジン『日経COMEMO』https://comemo.nikkei.… もっと読む
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2019年11月の記事一覧

日銀の敗北宣言になりかねない物価目標の変更

日銀の金融政策は限界に近づいているのではないか──そう思わせるニュースが飛び込んできた。 国際通貨基金(IMF)の専務理事クリスタリナ・ゲオルギエバが、『日本経済新聞』などとのインタビューで、日銀の物価目標を現在の2パーセントから、幅を持たせたものに変更するよう提言した。 日銀は現在毎年2パーセントずつの物価上昇を目標に掲げている。年2パーセントの上昇率というのは人類の経験則から導き出された値で、これによって企業の業績と個人の賃金が上がり、持続的な経済成長が見込めるという

言葉の「誤用」は大罪である。ずれを正す謙虚さを持とう

これは黙って見過ごすわけにはいかない。 言葉に関するネットの情報に、たまたま聞きかじった辞書の定義を絶対視しているきらいがあるのは確かである。辞書によって定義が異なることもあるし、辞書の用例自体が誤っていることもある。要するに、辞書にはそれぞれ編者の価値観が反映されるものであるから、それを「唯一無二の正解」と決めつけるのは、確かに狭量な態度であるといえるだろう。 だが、以下の記述は明らかに一線を越えている。 そしてこの後に、誤用が多数派の例を挙げながら、リアルな使い方だ