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商店街活性化 三つのミステーク

個店はひたすらかっての繁盛ノウハウの時代錯誤な反覆及び片言隻句を聞きかじった空論に基づく手前勝手・独断試行、結果、全盛期とは似ても似つかぬ業容三点セットとなり果てており、組合はと言えばこれまた昔取った杵柄、かって近郷近在の善男善女にため息をつかせた共同販売促進事業、面影すら無い経費圧縮版の繰り返し、往時を知るお客はいなくなったし、まあいいか・・・。

 他方、お客の方はと言えば、
無印 ユニクロ、スタバ マックにミスドに みんなまとめてイオンモール、というようにナショナルチェーンとのおつきあいバッチリ、今は昔のあたしじゃないよ・状態です。

 ぶっちゃけ、このミスマッチ状態は、ど~にもこ~にもならないわけでありまして、早い話、このあたりについて口をつぐみ、目を閉じたまま、店前通行量を増やすとか・まちゼミ、一店逸品でがんばるなどとは、ゆ~ても詮無いことではありますまいか。

敵はいろいろありとても・・通行量は無敵・・です・・


 ということで、「商店街活性化三つのミステーク」です。

その一 個店の対応努力の問題状況とのミスマッチ


 もの不足・買物行先商店街限定という自生型商業集積・商店街の生成条件が次第に消滅してくると、それまで商店街で主流だった商売が通用しなくなります。
レジを見れば、歴然ですから、手を打たなければならない。

 手を打つ上で根拠とされたのは、消費者の多様化と個性化、市場細分化、多品種少量、差別化、セルフサービス等々の決まり文句、決まり文句らしく中身の乏しい文言ばかりでした。
これらの文言を根拠に「経営改善」に努めた結果、店づくりがお客の購買課題といっそうミスマッチに陥った・・・。

その二 組合の共同事業のミスディレクション(方向錯誤)


 共同販促事業(施設やイベント・サービス)を目的に結成された商店街組織は、設立以来、その役割を果たしていきましたが、販売促進の常として「売場」がお客から見て満足できるレベルに充実していないと、せっかく取り組んでも効果が出ません。
組合員店舗の業容陳腐化・劣化とともに効果が挙がらなくなってきました。
 ここで環境の変化をしっかり認識、郊外型商業の発展―商業集積環境の実態を踏まえ、商店街の事業機会を再定義して、「買物の場」としての再構築を目指すという方針をうち立て、「個店の業容転換=売場づくりの改革」を軸とする街ぐるみの取り組みを組織するべきだったのですが、残念ながら従来慣行的事業に終始して現在にいたっています。

その三 活性化スキームのミスハンドリング



 旧中活法こと『整備改善・活性化法』では、TMOが中心となって進める中心市街地活性化の一体的推進の目標について、「中心市街地の商店街群を一個のショッピングモールと見立てて整備する」「中心市街地の商業機能をショッピングモールとして再構築する」というスキームが作られましたが、残念ながら、実施段階ではスキームを活用することが出来ないまま、「法」は改正・中活法=歩いて楽しいまちづくりへと大転換してしましました。

 改正ですから、従来のスキームの至らなかったところを剔抉、旧法のスキームが果たせなかった商業集積としての持続可能性の再構築を実現出来る新しいスキームが提供されればよかったのですが・・。
 現状は活性化への取り組みの三局面全てにおいて、それぞれ基本的なレベルのミスを承継しているのでは無いか?
それが原因で商店街活性化という課題は実現に向かって一歩も進んでいないのでは無いか、というのが私の現在の見解です。

 まあ、これだけミスが重なれば、活性化できないのも無理はないというものでしょう。
しかし、これ、実はそう悪いことでもないのでありまして。
ミスがこんなに重ならなかったら、活性化できたかも知れないじゃあないですか。逆にミスが無かったのに今の状態が起きている、と言うことだったらもはや打つ手無し・夢も希望もありません。
 ところが、この通り、取り組みがまずかったから出来なかった、のであれば、うまくやり直せば活性化できる可能性がある、ということですからね。

 たとえば。
「その一」について
 ほとんどの商店街に「繁盛店」があります。これらのお店は、環境の変化に的確に対応して「店づくり三点セット(品揃え・提供方法・提供環境)」をバランスよく作り上げています。
けして「差別化」やその亜流である「一店逸品」などにはしることなく、自店の客相を決定し、その消費購買行動を理解し、その標的として適切な「買い物の場」を仮設~試行で創っているのです。

「その二」について。
 たとえば、とげ抜き地蔵商店街。
ここは「店前通行量」を相手に商売をしているわけではありません。ある時期、「とげ抜き地蔵参拝客」のライフスタイルを想定、そのライフスタイルを作るためのショッピングをたのしむ、といいう客相を自分たちの商店街の顧客とすべく、街を挙げて「想定した客相のためのショッピングの場」としての再構築に取り組んだのです。当面は参拝客相に対して買物客相への転化をアピールしたのですが、そのためには、通りの買物の場としてのコンセプトを定め、通りの各個店がこれを分担・実現する、という方法を取りました。その結果、来街者はとげ抜き地蔵参拝相から商店街の買物客相へと転化、続いて同じようなライフスタイルのお客がショッピング+を目的にライ害す量になり、商店街の繁盛―活性化が実現しました。構想協働型商業集積ですね

 とげ抜き地蔵前商店街が現在の繁盛を獲得するについて、どのような取り組みをしてきたか、と言うことについてはほとんど知られていないと思いますが、一度理事長さんのお話を聞かれることをおすすめします。「お地蔵さんへの参拝客で店前通行量が多いからだ、うらやましい」などというレベルではないことがはっきり理解できます。
視察に行って上っ面をみても分からないところです。
「店前通行量」ならここに優るとも劣らない量を持ちながら、商売としては通行量が減少しているところと大差ない、という例もありますからね。

「その三」
  上述の地蔵通り商店街が貴重な実証事例。
かっては「ショッピングモールとしての再構築」をはっきり掲げて、個店~商店街組織~連合組織の取り組みを計画的に推進している都市がいくつがあったのですが・・。

 商店街活性化への取り組み、三つの層で取り組まれていますが、これまでの取り組みは、三層それぞれにおいて基本的な役割を果たすことが出来なかった、さらにそれが三層同時に起こったために、取り組みの改善ができなかった、ということが今日に至るまで「商店街活性化」への取り組みが効果を挙げられない根本原因ではないでしょうか?

 とするならば、これからも「商店街活性化」に取り組む、取り組まなければならない、という立場にある人たちが取るべき道は自ずと明らかではないでしょうか。と言うことで、またしても、相変わらすず「商業集積としての持続可能性の再構築」を目指し、三点セットの取り組みを再構築しよう、といいうアピールになりました。

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