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【お仕事回顧】お店で女の子との会話を楽しむシミュレーションゲーム

【お仕事回顧】この記事はなにか?
・これまでに従事した仕事の振り返りです
・ポートフォリオ的に見せるものです
・自分がスランプに陥ったときに振り返るお話の作り方の備忘録
です

公開許可を取っていないものもあるのでタイトルはボカしてあります
お話の作り方などを記載してあるのでネタバレがあります
(タイトル非公開なのでネタバレも何もないですが)


概要

秘密のお店に通って女の子とのお酒と会話を楽しむ恋愛シミュレーションゲームのシナリオ作成


期間

2008年のどこか半年間

依頼元、依頼経緯

別の仕事で一緒だった先輩ライターからお声がけいただきました

関係者

メインライター&サブライター3人

仕事内容

コンシューマゲームとして発売される予定の恋愛シミュレーションゲームのシナリオ作成のお仕事でした。メインライターが企画担当との橋渡しから、シナリオのフォーマット作成や最終稿の取りまとめまでを担当。10人程度いる登場キャラクターのシナリオをサブライターがそれぞれ担当する形で、サブライターとして参加しました。

資料

企画書、フローチャート、キャラ設定資料、シナリオフォーマット

納品物

シナリオ

ボリューム

選択肢付きイベント×170、選択肢無しイベント×30、計200個程度のイベント×2キャラ分

時系列

数回の打ち合わせでゲームの仕様のブリーフィング、シナリオの方向性のすり合わせ、キャラクターの設定すり合わせなどを行いました。 資料を元にシナリオを作成してメインライターに添削してもらって打ち合わせ、再提出を繰り返して最終的に納品しました。

感想

 アダルトゲームではありませんが、なかなか発言に注意が必要なゲームの紹介です。

  プレイヤーはお酒を飲む大人のお店に行って、そこで働くキャラクター(女の子)とコミュニケーションを楽しむ、という内容のゲームでした。
 お店の中で女の子と仲良くなるに連れて、食事やデートに出かけたり、女の子個別のストーリーが展開されていき、それぞれのハッピーエンドを目指します。

 プレイヤーは女の子とコミュニケーションを深めて仲良くなるのが目的なのでお店に通うことになります。 ただ、お店に行くには当然お金が必要なので、 お店に行かない平日にアルバイトをします。
 そして週末、働いて貯めたお金でお店に通い、時には女の子にプレゼントを買って渡したりもします。 お店でのやり取りやプレゼントの内容によって女の子の好感度が上下します。
 お店で女の子と話せる時間には限りがありますが、延長料金を支払うことで時間を延ばすこともできます。

 ……なかなかリアルと紐づく要素の多い、怖いゲームだと思いました。

 仕様の話。プレイヤーは女の子との会話の中で三択を迫られて、 どの選択肢を選ぶかによってキャラクターの好感度が上下する、というおなじみのシステムでした。
 ただ、そこにお酒が絡むというのがかなり特徴的なゲームでした。
 プレイヤーが選ぶ三択が、その先でさらに「通常状態」と「お酒が入ったほろ酔い状態」で結果が分岐することがあります。
 通常状態だと怒られるような主人公の発言も、ほろ酔い状態だと受け入れられたりします。
 ただ、お酒を飲んでもらうにもお金を使って奢らなければならず、さらに一緒に飲むわけなので自分も飲まなければならず、酔い潰れないように注意が必要です。酔い潰れないように相手をほろ酔いにさせた上で◯◯の選択肢を選ぶ、といった、絶妙なテクニックと駆け引きが必要で、とてもユニークな仕様でした。
 現実のそういうお店の話を書いているわけではありません。断じて。

  僕は元々選択肢の会話があまり得意ではなかったんですが、 このゲームはさらにその分岐が複雑だったためライティングが非常に難しく メインライターのチェックでたくさん指摘されたのを記憶しています。

「選択肢と以下の会話内容が繋がっていません。」
「オチを意識しすぎて前の会話がぎこちなくなっています。」

 当時の原稿を見て指摘の内容を振り返ると、その頃苦手としていた部分が浮き彫りになります。映像出身のシナリオライターは一本道で起伏のあるシナリオに慣れているので、ゲームシナリオの持つ「分岐」という概念にかなり戸惑います。メインライターの方にはかなり鍛えていただきました。

 元々お酒を飲むお店に行く機会自体が少なく、参考のためにお酒を飲む大人のお店にも行ってみました。ただ当時あまりお金がなかったので、通い詰めるのが難しかったです。
 お店に取材に行くためにはお金が必要で、そのためにはたくさん仕事をしなければならず……。
 ゲームも現実も同じですね。



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