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部長室という個室特権を放棄するのは自然なこと、エーリッヒ的 Beな生き方


エーリッヒ・フロムの「To Be」の生き方と、役職は役割で偉い訳ではない、という話をします。

To Have ではなく、To beな生き方

エーリッヒ・フロムは、"To Have or to Be?"という著書で、人間の生き方について「持つこと(To Have)」と「存在すること(To Be)」の2つのモードを提唱しています。「To Have」は、物質的な所有と消費に重きを置く生き方で、自己の価値を所有物や達成したことで測ります。「To Be」は、物質的な所有ではなく、自分自身の存在や経験、人間関係に重きを置く生き方です。フロムは、「To Be」の生き方こそが、本質的な人間の幸せへの道であると主張しているのです。
「To haveではなく、To Be」は私の座右の名の一つです。

一般的に人間は「To Have」を大事にしてしまうもの。いい家に住んでいる、家柄が良い、身長が高い、見た目が良い、年収が高い、役職が高い。
今日も送られてきますよね、たくさんの肩書の付いたドクターのメール。To HaveをアピールしたFacebookの投稿。むしろこれが人間らしい営みとも言えます。だからフロムがわざわざアンチテーゼを持ってきたのです。

役職は役割であり、偉いというわけではない

日本の会社では、「管理職=偉い」という認識が一般的だと思いますが、管理職は役職、つまり役割に過ぎず、上下を示している訳ではありません。もちろん人間的に素晴らしいわけでもありません。

部長が他のスタッフや研修医より偉いのではなく、学生よりも偉いのではけしてありません。役職を「To Have」として権力として使うと失敗します。私は、他のスタッフからも、研修医からも、コメディカルからの他の事務の方からの学べるものは学びたい。リスペクトしあって、議論して、いろんなスケールのチームを構築し、ミッションを明確にして成果を出すのがマネージャーの仕事です。To Haveではなく、To be。

ビジネスマン時代からの習慣ですが、私はスタッフはもちろん、研修医もコメディカルも事務に対しても、「さん付け」で呼びます。コミュニケーションの取り方は、研修医も理事長もあまり代わりはないと思います。リスペクトするだけ扱いは同じです。

役職によって得られる情報が権力になることがありますので、これは徹底的に情報共有を行います。部長会の情報はその場ですべてオンラインで共有していき、もらった紙は皆に回し、後日議事録も皆にオンラインで公開します。情報を共有することで権力がなくなり、チーム力があがります。マネージャーはファシリテーターとしての機能するとよいでしょう。ときに引っ張り、ときにサーバント的にと臨機応変になると良いでしょう。

マネージャーの部屋は撤廃するとよい

日本ヒューレット・パッカードの元社長、現在のパナソニック・コネクト社長の樋口さんは、社長室・役員室を撤廃したと言っていました。めちゃめちゃいいと思いました。病院も医局のど真ん中に院長の机をおいたら風通しがよく、いい病院になると思います。
https://gemba-pi.jp/post-252181

ということで、私も部長の個室は持たず(don't have)、皆の部屋にしました。皆が活躍できるようにつなげて伴走するのが私の仕事です。伴走する仲間は、役職、立場を問いません。「To HaveではなくTo Be」な生き方のすすめ、のお話でした。

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