人混み

昔は、といっても1年前までは人混みに紛れるのが好きでした。たくさんの知らない人に囲まれると、なぜか自分は生きているんだという気持ちを強く感じたからです。地方に住んでいたので人口の多い都会への憧れの現れだったのかもしれません。

しかしここ1年、都会に住み始めてコロナウイルスの蔓延も相まって人混みが苦手になりました。当たり前のことといえばそうですが、知らない人に囲まれて自分は生きていると感じるとともに、膨大な数の人もまた生きているのだと感じて悲しくなります。自分が一生その人たちと関わることがないことをなんとなく分かっていて、それを突きつけられるからかもしれません。特に、まだ乗ったことのない、あるいはあまり乗ったことのない路線の電車に乗るとこれを感じます。

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