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【2021年最新】5軸3Dプリンターまとめ

3Dプリンターは自由な形状の物を、すぐに造形できるとても便利な機械です。
最近では、3Dプリンター本体価格も安くなり、一般家庭での導入が増えています。

今回は、そんな3Dプリンターの工業用機械としての進化の一例、最近注目されている5軸3Dプリンターをご紹介したいと思います。


いままでの3軸3Dプリンター

いままでの3Dプリンターは造形ステージに材料を一層一層積み重ねる造形方式で物を造形しています。
その時の機械としての動きは、XYZ(左右、前後、高さ)の3軸です。

殆どの3Dプリンターではこの3軸上で造形しているので、積み重ねるには、高さ方向の一方向からしか造形することができません。

この3軸での造形は、造形できる形状に制約が多くあります。
その制約については、次で解説していきます。

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3Dプリンター造形の制約

どんな物でも3Dプリンターなら造形できると考えている人が多いと思いますが、実際は様々な制約によって造形に適さない形状もあります。

例えば、樹脂を熱して積層するFDM方式では、造形ステージに一層一層積み重ねるので、空中に浮いた形状はサポートと呼ばれる支えが必要となります。
サポートがつく下面は表面が荒れ、実際に使うには研磨が必要なことがあります。
荒れた面にしない様にサポートをつけずに造形するには、浮いた形状の下面を斜めの面にしたり、浮いた形状はなくす必要があります。

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また、FDM方式では造形物は水平方向のせん断応力に弱くなります。
仮に、長い円柱を縦に造形し、手で曲げると簡単に折れます。
そのため、せん断応力が加わる物には、造形品に加わる力を仮定し、造形ステージに配置する方向を変更する必要があります。

もし、造形品に加わるせん断応力が造形ステージに対して水平に加わる様にしか配置できず、浮いた形状が多い形状の物はFDM3Dプリンターでの造形に向きません。

このような造形時の制約が造形方式によって、いくつも存在しています。
これらの制約は、他の工作機械に比べたら余程緩いものなので、今までよりも自由度の高い設計が可能ですが、万能ではありません。

造形時の制約をまとめます

・浮いた形状にはサポートが必須
・サポートがつく面は荒れる
・特定方向へのせん断応力に弱い

これらの制約を無くすことができるのが今注目されている「5軸3Dプリンター」です


5軸3Dプリンターとは

5軸3Dプリンターは、今までの3軸3Dプリンターに2軸を追加した新たな3Dプリンターです。

5軸による造形では、造形時の制約が大きく減り、いままで造形に適さなかった形状の物も造形できるようになります。

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