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FLASHFORGE Adventurer 4 スペック徹底比較
前々から、FLASHFORGE JAPAN公式Twitterでちょこちょこと情報公開がされていたAdventurer 3の後継機となるAdventurer 4
FLASHFORGE JAPANニュース
— FLASHFORGE JAPAN (@flashforge_jp) March 23, 2021
3Dプリンター Adventurer4 開発中‼︎
プリントサイズの大型化や1kgのフィラメントにも対応。
265℃のプリントが可能。そして、、、デュアルリニアガイドを搭載🦾🦾その他にも機能モリモリで価格は10万円前後になる予定です。※発売日未定#FLASHFORGE#3dプリンター pic.twitter.com/K9D18PiPEu
FDM3Dプリンターとして比較的低価格帯ながら、その高い造形品質で国内外問わず人気のあるAdventurer 3。
その正統後継機としてAdventurer4は、いま最も注目されている3Dプリンター機種の一つです。
Adventurer4は未だ日本公式からは詳細な情報が公開されていませんが、FLASHFORGE USAの公式サイトではAdventurer4の製品ページが公開され、詳細なスペックも記載されています。
そこで今回は前機種であるAdventurer3とAdventurer4の製品スペックを比較し、実際どの程度能力が向上したのか見ていきます。
Adventurer4 スペック比較
では、表を使ってAdventurer3とAdventurer4の製品スペックを横に並べて比較していきましょう。
どうでしょうか。
こうやって比較すると、なかなかAdventurer3から細かいスペックが変更されています。
特に注目すべきスペックを次で細かく見ていきます。
Adventurer4 注目スペック
前述でAdventurer3とAdventurer4の製品スペックを並べて比較してみましたが、あの表では変化が少々分かりづらいと思いますので次の表を用意しました。
色を塗っている箇所がAdventurer3から変更のあるスペックです。
青色で塗っているスペックは、使用者へプラスになると思われる変更箇所。
黄色で塗っているスペックは、使用者へマイナスになると思われる変更箇所です。
それぞれ解説していきます。
まずは、使用者にとってプラスになる変更スペックです。
(+)造形サイズが体積比約3倍
Adventurer3と比較すると、150×150×150mmから220×200×250mmと大幅に造形サイズが向上しています。
体積比較で約3倍の造形エリアに拡張されます。
今まで分割して造形していた物も一発で造形できる様になります。
数値だけだと、あまりイメージがわかないと思いますので、立体的な画像を用意しました。
色の濃い立方体がAdventurer3の造形エリア、色の薄い直方体がAdventurer4の造形エリアとなります。
こうしてみると、だいぶ大きさが変わるのが分かります。
(+)フィラメントが1kgに対応
いままでAdventurer3では500kgまでのフィラメントリールにしか対応していないので、1kgの社外フィラメントを使いたい場合は本体の外にフィラメントを置く必要がありました。
Adventurer4からは1kgのフィラメントリールに対応しています。
これにより、FLASHFORGE社製純正フィラメントのみならず、社外フィラメントも利用可能です。
いままでよりも、材料コストを抑えることが出来るので、失敗を恐れずバンバン造形ができます。
材料コストと材料品質の自由度が増し、より3Dプリンター生活が捗りそうです。
(+)使用可能材料が大幅に増えた
265℃ノズルの対応により、いままでのPLA / ABS樹脂に加え、PC / PETG / PLA-CF / PETG-CFが造形可能となります。
いきなり大幅に対応材料が増えましたね。
こりゃ設計の幅が大きく広がりそうです。
ただ、私が少々期待していたTPU樹脂への対応はされないようです。
Adventurer3と変わらず、フィラメント供給にボーデン式が採用されているので、仕方ないんですが少し残念です。
(+)ヘッド径のオプションに0.6mmが登場
オプションとなるヘッド径で0.3mmはAdventurer3にもありましたが、今回新たに0.6mmが追加されました。
「なんでわざわざ径の大きいヘッドが追加されるの?」
とお思いかもしれませんが、恐らくですが造形エリアの拡大による、造形時間の延長を抑える為のものだと思います。
ノズル径を大きくすれば、積層ピッチを大きく設定ができます。
単純に考えると、積層ピッチが2倍になれば、造形時間は1/2に短縮されます。
大物を造形する際には、細かい精度よりも造形時間を優先したいという場合がありますので、そんな要望へ対応する為の0.6mmノズルの追加です。
これにより、使用者の優先度の選択が広がります。
精度を優先したい場合は、小径ノズル。
時間を優先したい場合は、大径ノズルと選択の幅が広がります。
また、それに伴って、造形最高速度が50%向上しているのも、同じ理由だと推測できます。
(+)大きくなったタッチ画面
3Dプリンターの操作や造形状況を確認するための液晶タッチ画面が大幅に大きくなりました。
イメージ画像で表すとこんな感じに大きくなりました。
造形時だけでなくメンテナンス時にもよく操作、確認をする液晶タッチ画面は大きい方が視認性が良く、何より操作がしやすいです。
(+)上位機種モデルの機能が搭載
いままで上位機種であるGuider2にしか搭載していなかった停電時回復機能が搭載されます。
これは不意の操作ミスや突然の落雷などで電源が断たれた時に、再起動することで途中から造形を再開できる機能です。
また、いままでになかったエアフィルターシステムによって、外部への造形臭の流出を防ぎます。
高温ノズルの登場で樹脂の高温融解時に発生する粒子や匂いを外へ漏らさない機能追加はありがたいものです。
(-)本体価格が大幅UP
ここからはスペックの変更により、使用者とってマイナスになる部分を解説していきます。
本体価格が大幅に値上がりしました。
前機種であるAdventurer3が販売価格$497.00だったのに対して、Adventurer4は$799.00での販売が予定されています。
単純に日本円になおすと約88,000円となります。
もちろん単純にドルから円になおしただけですので、実際の国内販売価格は変わってきます。
おそらくですが、8万円後半から、9万円後半の間で販売されると思います。
Adventurer3は日本での価格は58,000円なので、Adventurer4を88,000円と仮定すると、30,000円値上がりです。
造形エリアの拡大や、各種機能追加で価格が上がるのは予想していましたが、私が思っていた以上に上がりました。
88,000円というと家庭向け3Dプリンターとしては上位に入ります。
Adventurerシリーズは今後、低価格帯を抜け、家庭向けと業務向けの中間あたりを目指していくのかもしれません。
(-)本体サイズの肥大化
造形サイズの拡大、新規機能追加によって本体サイズが大幅に肥大化しました。
W470×D500×H540mmってもう、そこらのオーブンレンジよりも大きいサイズ感です。
アパートやマンションに住んでいたら、置き場所に困るだけでなく、設置できたとしても無茶苦茶な存在感を放ちそうです。
また、本体サイズの肥大化に伴って本体重量も約2倍になっています。
気を抜くと簡単にぎっくり腰になる重量です。
設置個所の選定にはしっかりとした強度を持った場所を選んでください。
(-)最小積層ピッチが厚くなっている?
これは、ちょっと詳細がわからないんですが、FLASHFORGE JAPAN公式サイトでは、Adventurer3の最小積層ピッチは0.05mmと記載されています。
しかし、FLASHFORGE USA公式サイトでは、同じAdventurer3なのに最小積層ピッチは0.1mmと記載されています。
同じことがAdventurer4でも起きるのかもしれません。
今のところはFLASHFORGE USA公式サイトからの情報しかなく、そこにはAdventurer4の最小積層ピッチは0.1mmと記載がありますが、もしかしたら、日本で販売する際にはカタログスペックとして最小積層ピッチが0.05mmと公表されるかもしれません。
(-)造形時の騒音問題
Adventurer3は静音仕様で造形時の駆動音が漏れにくい設計がされていました。
家庭内でも、同居人や近隣住民に対して迷惑にならない静音設計は人気が高く、Adventurer3の人気の一要因でもありました。
しかし、Adventurer4では、Adventurer3よりも静音設計が甘くなっています。
Adventurer3の45dBの騒音は「静かな住宅地の昼」程度の騒音レベルです。
Adventurer4の50dBの騒音は「木々のざわめき」ぐらいの騒音レベルです。
木々のざわめきの音って結構大きくないのか?
ここの感覚は人にもよるとは思いますが、音に敏感な方は注意してください。
実際Adventurer4は買いか?
ここまで、Adventurer4とAdventurer3の製品スペックを徹底比較してきましたが、最終的に気になるのはAdventurer4は買いなのかどうかというところだと思います。
間違いなく買いです。
記事内でマイナスなことも書きましたが、それを吹き飛ばす程に買いだと判断します。
現状、10万円以下の価格帯での3Dプリンター機種で、ここまでの製品スペックを持っている機種はありません。
これだけの広い造形エリアがあり、ノズルを変えれば使える材料種類がめちゃ増える。
そして、社外フィラメントを使って造形コストも抑えられるとなったら買うしかありません。
設置場所さえ確保できるなら、どんな方にもオススメできるオールラウンダー3Dプリンターです。
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