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植毛手術と私 その1-準備と手術編-

見出し画像は相変わらずタイトルと関係ない写真です。
0歳5ヶ月頃の私です。

さて、この記事はいつか書こう書こうと思っていて
結局ずっと先延ばしにしていました。
申し訳ありません……。

私は昨年の4月に植毛手術を受けました。
植毛手術と聞いても馴染みのない方には
エクステを付けたり、元の毛に人口毛を結び付けるものを
イメージされる方もいるかと思います。
(TOKIOの城島茂さんがCMに出演されてますね)

そういったものとは違い、植毛手術とは
文字通り「」を「植える」手術となります。
後頭部に生えている毛を毛母細胞ごとくり抜いていき
それを毛を植えたい箇所に穴を開けて植えていく
……といった手術なのです。

何故後頭部からの採取なのかといいますと、
・後頭部の毛は生える向きが下向きであり傷跡が隠れやすい
・後頭部の毛はAGA(壮年性脱毛症)の影響を受けにくく
 植えた後に薄毛になるリスクが低い

という観点から、後頭部の毛母細胞の採取が選ばれているそうです。

このnoteを読んでいる方のなかには
おそらく現在進行形、または将来的な
AGAの発症に悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
そういった方々は、
AGAが男性ホルモン由来の脱毛症であることは
既に理解されているのではないかと思います。

一応改めて仕組みをざっくりと説明しますと、
男性ホルモンのテストステロンの一部が
5αリダクターゼという酵素と結合して
ジヒドロテストステロンというものに変化し、
これを頭髪の受容体がキャッチし髪の成長を止め
脱毛を促してしまう……といった変化になります。
頭髪の前頭部、側頭部(M字部分)、後頭部の薄毛の原因がこれに当たります。
母方の遺伝要素が強く、また薄毛の家系でなくとも
不摂生などが祟って抜け毛が起きてしまう場合もあります。

ちなみにこれは男性ホルモンが強ければ薄毛になりやすい
……などというわけではなく、
ジヒドロテストステロンを
受容体がキャッチしやすい体質だと
薄毛になりやすいそうです。
だから髭や体毛がモジャモジャな人でも
薄毛とは無縁な人がいるのです。


さて、ここまで書いて来ましたが
私は現在女性ホルモン剤を投与しており、
現在は睾丸摘出も済ませているため
おそらく男性ホルモン由来の脱毛は
副腎のホルモン異常でも起きない限りはおそらく大丈夫かとは思いますが、
植毛手術を受けた頃はまだ睾丸もありましたので
上記のAGAリスクも多少懸念していました。
(母方、父方両方とも薄毛の家系だったので……)
一応高男性ホルモン剤のおかげでテストステロン値はかなり低かったとは思うんですけどね。


前置きが長くなりましたが、
それでは植毛手術を受けるに至った経緯と
手術に至るまでの流れ、手術の様子を書いていきます。

1、生え際の植毛

私は自身の生え際の形がどうにも男っぽいことが
ずっと気になっていました。
女性の生え際は丸く弧を描くような形や富士額、
ややM字なものの産毛の生え揃った形など様々ありますが、
私の生え際はいかにもかっちりと四角く、
髪を後ろに上げた際に見える額の形がとても男性的に見え
おでこを出すことに抵抗がありました。

少なくとも10代前半の頃はおでこ周辺の産毛がとても濃く、
わざわざ眉用のカミソリで剃り落とすこともありましたが、
二次性徴が終わる頃にはそこまで目立つほどの産毛は生えていませんでした。
実はこの二次性徴中に、性ホルモンの影響により
男性的・女性的な生え際がよりハッキリと形作られていくようなのです。

女性ホルモンを投与するようになってから、額周辺は産毛の量が増え、
ホルモン投与前と比べると確かに少し丸みを帯び
思春期に差し掛かった頃のような形になっていました。

これが当時(2020年10月頃)の生え際です。
左右のこめかみ付近の生え際の産毛が以前より濃くなっていました。
照明の関係で分かりにくくてすみません……。


ですが、これが長く太い髪にまで変化する様子は無く、
どうしても丸い額が欲しいと思い、植毛手術を検討することとしました。

人によっては「この形でも十分なのでは?」と思われるでしょう。
確かにそうかもしれないです。
おそらく、病的にコンプレックスを拗らせた結果
気になっていただけに過ぎなかったのかもしれません。
とはいえ洗髪時に髪を後ろに上げた際に毎回見えてしまう
男らしい生え際はどうしても自身のメンタルを削いでいきます。
手術を終え1年以上経った今、
きちんと理想の形に生え揃った生え際を見る度に安心するため、
やはり植毛手術を受けた意味はあったのだと思います。

私が理想とするヘアラインはこのような形です。

おそらく2020年の冬に撮った写真です。
青い線が本来のヘアライン
赤い線が理想のヘアライン
……といった具合です。この頃は髪が短いですね。


2.植毛手術の予約

私がカウンセリングを受けたのは2021年の2月末、
湘南美容外科の新宿本院で行いました。
湘南美容外科は肌治療などで元々会員となっており、
また植毛手術の実績が豊富なことや、
女性の植毛手術の症例もHP上に上げていたことが
当院を選んだ理由でした。

まずはメール相談を行い、そのなかで
直接カウンセリングを行う日時を決めていきました。

カウンセリングには当院の医師が立ち会い、
生え際の写真を元にどのようなヘアラインを描いていくか
額に直接ペンで線を描きながら確認しつつ、
2パターンのヘアラインの提案を受けました。

ひとつは1000グラフト*で角の丸いラインは作るが
生え際の高さはそこまで変わらないもの。
もうひとつは1320グラフトで同様に角の丸いラインを作りつつ
生え際も少しだけ下がるもの……でした。

※グラフトとは1つの毛穴から生える髪の毛の束の単位であり
1グラフト=2〜4本といった形になります。
髪の毛は他の体毛のように1つの毛穴から1本しか生えないのではなく、

基本的には複数本生えているそうです。
手術料金の計算も1グラフト×単価で算出されます。
(植毛グラフト数が多い方が単価は安くなる傾向にあるようです)

少しだけ悩みましたが、
より理想的な形の生え際にできるなら……と、
1320グラフトの植毛手術を選択しました。
この時点での料金は120万円ほどでしたが、
更に笑気麻酔とハイポサーマソルというオプションをつけて128万程度の費用を支払いました。

ハイポサーマソルというのは、
後頭部から採取した毛母細胞が死なないように管理するための
組織培養液のことのようです。
植毛数が多い場合、採取に時間が掛かるため
最初に採取した細胞が弱ってしまうリスクがあり
それを防ぐための手法です。
私は確実性が欲しかったためオプションに選択しました。

また、植毛の価格は手術の方法により価格が変わります。
湘南美容外科で採用されている技法は
主にスマートFUE植毛とノンシェーブン植毛とがあります。
スマートFUE植毛は後頭部を部分的に刈り上げ、
そこから植毛に使う髪を採取する方法です。
スマートFUE植毛は価格も安いのですが、
当時私は髪を伸ばしている最中であり、
毛の採取のために髪を刈り取る……という事には
非常に抵抗があったため、採取する部分のみの髪を切って採取するノンシェーブン植毛を選択しました。
そのために少し費用が高くつきました。

植毛前に美容院で髪を切ってもらった時の写真です。
この頃はまだ短かった…。

3.植毛手術当日(1日目)

植毛手術は結構予約が埋まっており、
私が予約を取れたのは4月の中頃でした。
当日は黒いパーカーと黒いニット帽を持参していきました。
(万が一の血液付着防止…というより仮に付着しても目立たなくするためですね)

手術は2日に渡って行われますが、
1日目は後頭部の採取部の髪のカットのみとなります。
16時半ごろに来院し、簡単なカウンセリングと
後頭部の毛のカットのみを行いました。
カット時間は約30分ほどでした。
カット後の後頭部を見てみると、
一見どこを切ったのか全く分からないと言った状態でした。
髪に手を入れてみると微かに「チョリチョリ」と
短い毛を触った時の感触がありました。

後頭部の状態
ところどころ髪を切ったところの地肌が見えてますが
髪を下ろせば全く目立ちません。


カット後は翌日の手術の説明を受け、
そのまま近くのホテルに泊まりました。
わざわざホテルへ宿泊した理由ですが、
明日も通院するのにわざわざ千葉に戻るのも手間であるのもそうですが
翌日の手術が朝7時30分から行われるため
翌朝千葉から出発するとなるとハードなスケジュールになると考えたからです。
手術前であれば、なるべくコンディションも整えたいですからね。

4.手術日当日(2日目)

この日の流れは確か、

7:30…来院しそこから手術着に着替え、
8:00〜12:30…後頭部の毛の採取
12:30〜13:00…休憩、昼食(持参)
13:00〜17:00…生え際への植毛

……といった流れだったと思います。
1年前の記憶を辿りながら書いてるので
微妙に曖昧で申し訳ありません……。
どうして私はメモを残さなかったんだ……。

まず後頭部の毛の採取ですが、
診察台にうつ伏せになったあと後頭部に
局所麻酔をたくさん打たれ(これがなかなか痛い)
そこから医師と看護師の2人掛かりで採取が行われているようでした。
採取中は顔を上げることもできず、
また採取用の器具をしっかり押し当てるためか
顔を押し付けられるためかなりしんどかったです。
時々顔をやや横向きにするよう指示がありますが……。
基本的にはほとんど身動きが取れないと思っていいと思います。
これを4時間ちょっとですから本当に大変でした。
植毛手術で一番辛いところだと個人的に思います。

採取が終わりお昼休憩が終わったあと、
今度は仰向けになり、理想のヘアラインをペンで描いてもらったあと
笑気麻酔を吸いつつ生え際周辺に局所麻酔を打たれていきました。
後頭部に比べるとそこまで痛くはなかった気がします。
局所麻酔後は恐らく針で新しく毛穴となる部分を作成していき、
そこに後頭部から採取した毛をひたすら植えていく作業が続きました。
針を刺される「プツップツッ」といった感覚はあったものの、
痛みもなくほとんど気になりませんでした。
ただ、これもほぼ常に仰向けであり、背中や腰が痛くなるため
時々手術の手を止めてもらい少しだけ腰を浮かすなどして
コリをほぐしていました。
後半にもなると半分微睡むような感じでほとんど眠かった記憶しかありません。
本当に採取に比べたらとても楽でした。
勿論、手術中の医師や看護師は全神経を注いで集中されてるわけですが……。
感謝、感謝ですね。

17時前になり植毛手術が終わると、
そのまま服を着替えその後の生活についての指導を軽く受けました。

・極力前開きの服を着て、着脱の際に生え際の毛に
 干渉しないように気をつけること
・寝るときは数日間タオルか吸水パット(処方品)を敷いて寝ること
 (後頭部の麻酔が圧迫される事で滲出することがあるため)
・術後48時間は洗髪はNG
・処方した感染症の予防薬を服用する事


などの説明を受け、その後退院しました。

以上がカウンセリングから植毛手術までの流れとなります。
非常に申し訳ないんですが、
術後の写真をほとんど撮り忘れたため残ってないのです……。
一応説明しますと、
毛が植えられたところ全体がハッキリと赤紫色に染まり、
そこから短い毛が顔を出している
……といった状態でした。
Googleの画像検索などで出てくると思いますので、
そちらを参考にしていただければと思います。

そこまでグロテスクではないですが、
人によっては集合体恐怖症を感じてしまうかもしれませんので
一応閲覧注意……です。

わかりづらい写真1枚目
右上の額の部分が薄ら赤みがかっています。
わかりづらい写真2枚目
とはいえ1枚目よりはわかりやすい…?
真ん中上部の髪が植毛時の血や麻酔液などで固まっています。


植毛手術は毛を植えてから発毛を実感するまで約半年、
完成までには約1年かかると言われています。
次回はその後の経過を上げていきたいと思います。

もしこの内容が参考になりましたら、
お気持ち程度に投げ銭していただけると助かります。
(なくても大丈夫です)
ここまでご拝読いただきありがとうございました。

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