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オンラインを活用して個展を開催しました

5/29〜6/3、表参道にあるOPA galleryにて、大好きな台湾をテーマにした個展「竹永絵里の我愛台灣」を開催しました。

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個展は9年連続で開催しており、前回終了時には今年も開催することを決めていました。テーマ選定や作品制作も昨年から進めていましたが、今年に入って突如降ってきた新型コロナウイルス感染症・・・。先の見えない日々が続き、イベント等の中止の発表も相次ぐ状況で、個展も開催できないかなぁ...と半ば諦め気味でした。

しかし、世の中ではオンライン飲み会や Web 会議など、これまでとは異なる形での働き方やコミュニケーションの流れが生まれてきていて、個展の開催の仕方についても何かできるのではないか、今だからこそ試せることもあるのではと模索しつつ個展の準備を進めました。

結果、5/25に緊急事態宣言が解除されたこともあり、お客さんにも来場して頂ける形でなんとか開催できました。その際に行ったオンラインを活用しての取り組みなどについてご紹介させていただきます。

どうやって設営したの?

普段OPA galleryで展示を行う場合、以下の流れで設営しています。

1. 事前に作品や販売するグッズをギャラリーに持参(郵送も可)
2. 併せて展示設営図をメールで送付
3. ギャラリーの方主導で設営を行って頂く
4. 設営への立会いと最終チェック

今回は他県への移動自粛要請により、いま住んでいる山形から東京への移動が出来ないため、作品は全て郵送し、4については設営完了後に会場からZoomで繋いで頂き、様々な位置・角度から会場を写してもらいながら最終チェックを行いました。

Web・SNSの活用

今回はお客さんが来場できない、もしくはギャラリー側でお客さんを受け入れることが出来ないなど、無観客での開催も十分考えられました。
ちょうどOPA galleryの方でもインスタグラムとTwitterを活用し、作品や会場の様子を写真や動画で発信する取り組みを始められていたので、私の作品も個展期間中に発信して頂きました。

また、私も普段以上にSNSを活用した情報発信に取り組んだり、お仕事のクライアントさんや以前個展に来て頂いた方へ案内メールを送信するなど、告知に力を入れました。
その結果、遠方に住んでいる方などからSNSで作品拝見しましたよ〜というお声をたくさん頂いたり、Webショップでのグッズの売上増(後述)につながったと思います。

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オンライン在廊

これまでは個展期間中は毎日在廊していました。毎年来てくださる方や、たまたま会場前を通りがかって覗いていってくださる方、お仕事をご一緒したクライアントさんなどが来てくださり、直接お会いしてお話しするのがとても楽しく、作品の感想を聞くこともでき、次の制作に活かすことができました。

今回もなんとか在廊できないものか...。
個展開催の直前の頃、他県への移動自粛要請はまだ解除されそうもなく、私は東京へ行くのは難しそう、でも緊急事態宣言の解除でお客さんに来場して頂くことはできるようになるかも...という状況になっため、急遽準備を進め、オンライン在廊を行いました。

OPA galleryに協力して頂き、会場に設置したiPad / iPhoneと自宅のPCをZoomで繋ぎ、会場にお越しいただいた方とオンラインで会話ができるようにしました。会場から見るとこんな感じです。

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初めての試み且つ開催直前だったため準備にバタバタし、初日はiPadの設定等が間に合わず、ギャラリーの方の個人iPhoneで接続。
二日目はギャラリーのiPadへと変わり、画面が大きく十分見やすくなりました。しかし、iPadを設置しているだけではちょっと味気ないなぁ思い、急遽台湾の花柄のパネルを作って郵送。
4日目からはパネル付きになって会場の雰囲気に馴染むようになった気がします。

iPhone / iPad やネットワークをお借りしたり、突然思い付きで作ったパネルを設置してくださったり、OPA galleryに多大なご協力を頂きました。

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個展期間中は毎日、オープン時間に合わせて着替え・化粧をして自宅PCからZoomで接続、ギャラリーの方と挨拶をして在廊スタート。11:00〜19:00まで常時Zoomに接続しておきました。
私からはギャラリーの様子が以下のような感じで見えていました。

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お昼休みは「休憩中」という画像を用意して画面に表示し、別の部屋でご飯を食べながらスマフォでZoomに接続し、会場の様子をチェックしていました。来場があったら、ご飯を中断してPC前に移動、という流れです。

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このような形で一週間在廊してみましたが、オンライン在廊をやってよかったと強く思いました。その点を以下に紹介します。

・直接在廊時と変わらずお客さんと会話ができる
・お越し頂いた方も特に違和感がないとの反応
・話が盛り上がり1時間以上話してしまうなど、画面越しでの長時間の会話も問題なし(会場にイスを用意してもらい、くつろいで話してもらえるようにしました)
・自宅在廊だったので、来客の無いスキマ時間を仕事や家事などに有効活用できる

今回の私のようにギャラリーと住まいが遠い場合や、育児などで在廊が厳しい方など、コロナが落ち着いて以降もオンライン在廊は十分選択肢としてアリなのではと思いました。

また、直接在廊していると一日の終りに感じる、一日中人と会って話したときの心地良い疲労感が好きなのですが、自宅でのオンライン在廊においても同様な心地良さを感じられたのが新鮮でした。

唯一欠点を挙げるとすれば、ギャラリー内で数名で盛り上がっているときにその中に入れず少々もどかしかったりさみしかったりする時があるぐらいでしょうか 笑(でも遠巻きに眺めるのも楽しかったです)。

もし今後オンライン在廊を検討される方は、以下のような資材の準備やギャラリーの方との事前相談をされると良いと思います。

・通信量の制限が無いネットワーク環境(会場・自宅)
・iPadなどのある程度画面の大きい端末(会場・自宅)
・端末用の電源と充電ケーブル(会場)
・イスやイヤホンなど会話しやすくするための機材(会場)
・Zoomで会話中に他のお客さんの邪魔にならない程度の設置スペース
・Zoomのアカウント(会場・自宅)
・3人以上で接続する場合はZoomの有料会員化(40分制限解除のため)
・機材トラブル時などにすぐにギャラリーの方と連絡が取れるようにする
・常時在廊しない場合は、在廊時間などを告知しておく

来場者数と売上

来場者の数は前年の4分の1でした。自粛解除後とはいえ、やはりコロナの影響は大きかったです...。
そんな中でも、お仕事をご一緒しているクライアントさん、初めてお会いするクライアントさん、イラストレーターさん、台湾好きな方等にお越しいただきました。

また、開催できるか分からない状況だったにも関わらず、台湾愛のあまり勢い余ってグッズもたくさん作りました(笑)。昨年までは個展会場でのみの販売でしたが、今回はOPA galleryのオンラインショップでも販売をしてみたところ、驚いたことに売上は昨年の個展とほぼ同じ。昨年と販売しているグッズが異なるので単純に比較はできませんが、驚きの結果でした。

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これらのグッズは、現在、私のオンラインショップにて販売しています。

オンラインを活用した個展開催のまとめ

オンラインを活用した個展開催、どうなるか不安でいっぱいでしたが、結果的に開催してとてもよかったです。
新しい取り組みができたこと、普段やらないようなことにチャレンジしたことで得るものは大きかったです。
来場者は減ったけれど、オンライン配信を通して多くの人に見てもらえたこと。オンライン在廊が思いの外コミュニケーションが取れること、オンラインショップを活用すれば売上が立つこと、オンラインとは言え個展に変わりないので、作品を作る機会になること、自分のレベルアップになること。

コロナの影響で、展示をすることに悩んでいるイラストレーターさんはたくさんいらっしゃると思いますが、今回の経験がそういった皆さまに少しでもお役に立てたら幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました!
次回は、個展中に開催したオンラインイベントオンラインクロージングパーティについて書きたいと思います!


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