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歴史本の山を崩せ

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歴史本に関するレビューです
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#読書案内

【歴史本の山を崩せ#019】『田中角栄』早野透

《田中角栄を間近で見続けた番記者による評伝》 戦後日本を代表する政治家の名を挙げろと言わ…

鉄仙斎
2年前
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【歴史本の山を崩せ#028】『王安石』小林義廣

《頑固一徹に己を貫こうとした改革者》 王安石は中国北宋時代の宰相。 山川世界史リブレット…

鉄仙斎
1年前
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【歴史本の山を崩せ#018】『撰銭とビタ一文の戦国史』

《銭を通じて力強い民衆の姿を見出す》 平凡社のシリーズ「中世から近世へ」の一冊です。 分…

鉄仙斎
2年前
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【歴史本の山を崩せ#016】『青きドナウの乱痴気』良知力

《こんな歴史の描き方ができるのか?社会史の傑作!》 歴史好きのなかでも熱烈なファンがいる…

鉄仙斎
2年前
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【歴史本の山を崩せ#009】『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』加藤陽子

《明治からアジア太平洋戦争までのスパンで読みとく日本と戦争の近代史》日本近代史をテーマと…

鉄仙斎
2年前
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【歴史本の山を崩せ#015】『長篠合戦と武田勝頼』『検証 長篠合戦』平山優

《名高き合戦の虚実を描く》 日本近代史近辺の本ばかり読んでいたせいもあってか、久しぶりに…

鉄仙斎
2年前
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【歴史本の山を崩せ#001】『歴史をつかむ技法』山本博文

歴史と聞くと、年号や用語の暗記をイメージするかもしれません。 これらはたしかに歴史を読むためには必要な要素ではあります。 暗記だけが歴史ではありません。 大学の歴史学科などで「歴史とは何か」について論ずる講座を史学概論と呼びます。 史学概論の本には、「入門」と謳いながらも内容が高度なものが多いです。 専門家や歴史を専攻する大学生ならばともかく、歴史に興味を持った一般読者が読むには少々ハードルが高い。 歴史に限りませんが概論というものは、専門用語が踊り、理屈っぽくてなかなか難

【歴史本の山を崩せ#002】『戦国のコミュニケーション』山田邦明

言うまでもなく戦国時代にはスマホや携帯電話、インターネットなどというツールはありません。…

鉄仙斎
2年前
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【歴史本の山を崩せ#005】『曹操』三国志学会

曹操(そうそう)― いわゆる三国志の三国のひとつである曹魏王朝の礎を築いた人物です。 中…

鉄仙斎
2年前
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【歴史本の山を崩せ#007】『世界大恐慌』秋元英一

《未曾有の危機にアメリカはいかに対峙したか》1929年10月24日。 ニューヨーク株式市場の突然…

鉄仙斎
2年前
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【歴史本の山を崩せ#012】『昭和恐慌と経済政策』中村隆英

《経済政策の失敗と政局がもたらした「戦前」》 著書の中村隆英さんは『昭和史』で大佛次郎賞…

鉄仙斎
2年前
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【歴史本の山を崩せ#003】『ハーメルンの笛吹き男』阿部謹也

『ハーメルンの笛吹き男』というお話。 ハーメルンというのはドイツの実在の街です。 中世の…

鉄仙斎
2年前
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【歴史本の山を崩せ#031】『朱子学入門』垣内景子

《カジュアルな朱子学入門書》 朱子学といえば中国を代表する超有名な思想です。 本場である…

鉄仙斎
1年前

【歴史本の山を崩せ#030】『科挙』宮崎市定

《東洋史学の泰斗が遺した珠玉の一冊》 宮崎市定は京大学派の東洋史学の泰斗です。 …とはいうものの、個人的に宮崎先生の学説とはあまり相性がよくないというか、あまり好きではないというのが正直なところです。 もちろん、彼なくして戦後日本の東洋史は語りえないといっても過言ではない大学者であることは間違いありません。 不遜といえば不遜ですが、やはり相性の良し悪しはどうしてもあります。 私も宮崎先生も「聖人」ではありませんからね。 科挙は伝統中国の官吏登用試験のことです。 本書は清代